第752話 今、再びの欧州へ

1613年4月23日


 鹿島神宮での参拝を済ませ、整備、準備を済ませた潜水艦に乗船した。


今回、欧州イバラキ島に向かう俺の家族は茶々、お江、琴彦、八千、桜子、ラララ。


そして、前田利常が側近10人を連れて行く。


「琴彦、ラララ、道中利常の語学教育を頼む」


琴彦は学校でリリリから教育を受けているので、語学は堪能、ラララは元から俺の通訳として活躍してくれている。


「はっ、父上様」


と、琴彦とラララは利常が乗る、潜水艦・蛭子命に乗船した。


「せっかく、息子共々一緒の船旅だと思っていましたのに。まあ仕方ないですけど」


と、茶々が少々琴彦が別潜水艦なのに残念がっていた。


今回、砲撃型潜水艦に加えて、蒸気機関スクリュー式推進装置付機帆船型鉄甲単胴中型戦艦3隻も加わった。

護衛艦・市杵

いちき

 ・艦長・竹部 沙莉

護衛艦・多岐都

たぎち

・艦長・六十鈴 花子

護衛艦・多紀理

たぎり

・艦長・冬山 愛花里


護衛艦とし、宗像三神にあやかった艦名を命名し、艦長を東住麻帆・東住美帆が率いる紅常陸隊で長年、副艦長を務めてきた者を抜擢した。


女性だろうと優秀な人材は一隻の船を任せる。


この護衛艦は速力重視で作られているため、潜水艦にも劣らぬ速力を出せる。


新たな艦隊編成とし、出発だ。


鹿島港には信琴と残る事となる側室達が見送りに来ていた。


「いずれは私も世界を回りとうございます」


「後継ぎを作ったらな」


と、答えると、小糸が


「信琴殿にも、あの精力剤を配合するのでお任せ下さい」


と、言ってくれた。


「御主人様、次は私達も」


と、梅子と桃子


「学校を任せてしまって悪いな。次のゆっくりした旅の時には必ず」


と、約束をした。


「御主人様、ラララ姉様、お体を大切に」


と、リリリも見送ってくれる。


「リリリも体を大切にして、学校を頼んだ」


と、頭を撫でてあげた。


一通りしばしの別れを惜しみながら、乗船した。


「それでは、出発をする。いざ、欧州イバラキ島へ」


送りに来た者達への挨拶のため汽笛を大きく鳴らして鹿島港を出発した。

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