第750話 土浦全国花火競技大会
出発を前に、茨城城天守に上り城下を見渡した。
発展が続く街は、どんどん大きくなっている。
・・・・・・と、あることに気がつく。
それは、この城は元々は土浦城。
それを大幅に拡張したのが茨城城。
旧土浦城は、奉行所として現在、前田慶次の配下が仕事をしているが、土浦城ではない。
そうなるとこの町は必然的に茨城町だ。
と、なれば平成時代毎年の如く見ていた日本三大花火大会の土浦全国花火競技大会は、存在しない可能性も出てくる。
これではいかん。
あの花火大会は茨城にはなくてはならない、県民の誇り。
よし、花火大会をやらせよう。
信琴に指示を出すと花火師に発注をしてそれなりの数をあげるとなると半年は必要だという。
今から半年後・・・・・・ん?10月。
ちょうど良いじゃん。
平成時代の土浦全国花火競技大会は10月。
夏の湿った夜空ではなく、秋風で乾燥した空気の中で開かれるからこそ、土浦全国花火競技大会なのだ。
乾燥した秋の夜空に咲く花火は、燃え方がよく、より良く花火が鑑賞できる。
「信琴、10月に毎年、城下桜川付近で花火大会を開くことを命じる。全国から花火師を集い、上げさせ、できの良い花火には『黒坂常陸守賞』の称号と金一封をだすように」
と、命じる。
信琴は俺の熱意を感じたのか、少々困り顔で了承していた。
次、帰国するときには盛大な花火大会が開かれていることを願おう。
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