第742話 前田利長
安土城二の丸にある屋敷に戻ると、前田利長が待っていた。
「我が師、お帰りをお待ちしておりました」
・・・・・・弟子を持った覚えがないのだが、萌美少女文化を心酔している利長にとっては俺は師匠なのだろう。
「利長殿、お待たせいたしましたかな?本丸で吉法師に大層懐かれて一晩過ごしてしまいましたから」
と、言うと、
「大丈夫です。それより我が領地いかがでした?」
「良かった。なかなか良く発展していましたね。それに兼六園が日本の美の庭園になっていて良かった。萌を使わないところと使うところに分けたのがまた、美。良いです」
「いや、利常と相談して萌美少女噴水を取り付けようとしたのですが、それを知った父上に反対されまして」
と、頭をかいていた。
「その、利常殿ですが、等方で預かり欧州で前田利家殿の後継ぎとなるように進めたいのですが、いかがでしょうか?」
「はい、利常から聞き及んでおります。が、私が行きたいくらいなのですが」
「利長殿がですか?利長殿はこのまま安土に残り、織田家の一門衆の一人として治世の安定にいそしんでいただきたいのです。それと、吉法師を厳しくしつける役目になっていただきたい」
「吉法師様を?」
「このままちやほやされて育つと、人を舐めた人物になってしまう。利長殿なら嫁は信長様の娘となると、吉法師にとっては大叔父、その大叔父として厳しく接して欲しいのです。祖父であるこの黒坂常陸が利長殿を守り役として推挙いたします」
父親は槍の又佐と恐れられた前田利家、そして悪いことをすれば容赦なくケツ箒の刑をする松様を母とする利長は厳しく育てられた適任人物。
「常陸様の頼みとあればこの利長、断ることが出来ましょうか、謹んで吉法師様守り役お受けいたします」
利長と利常と一緒にこの晩は飲み明かし語り合い、そして、気分が良くなった俺は、秘蔵の萌美少女の絵をまた利長にあげてしまった。
これがさらなる萌えの発展につながるとは、想像していなかった。
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