第734話 酒田港城城下町
酒田港城に入城する前に城下町を馬に乗り軽く見て回る。
猿飛佐助と霧隠才蔵が入城する酒田港城の視察、東住麻帆が護衛を10人連れて同行、東住美帆が潜水艦隊の留守番となる。
酒田港城は最上川の河口に作られた城で小高い日和山に天守を持つ城。
城下町は海には軍港と造船所、そして漁師が使う港に分けられ、陸に広がる大地は田畑が広がる。
人が住む住宅地は、東に広がる山を切り崩して作られ、最上川とその支流と人工的に造られた運河で小船で人々は行き交い賑わいを見せていた。
「羽州一の港に御座います」
と、酒田港水軍奉行の酒田金太郎時康は胸を張って案内してくれた。
町の作りは俺が常陸国で推奨してきた、住宅地は海から離し、海側は商工業地域とする作り。
最上義康はうちにいてよく学んだのがわかる。
それでもやはり、頻繁に海に行くような者は不便な為、一階を高床式にして柱しかない住居がある。
「防災都市として、ちゃんと出来ているな。日本海だろうと津波は来る。必ずこの造りを守るよう末代まで続く法度にして整備を続けてくれ」
「真琴様、義康なら大丈夫ですよ。町を整備するに当たって、うちや力丸に指南を幾度も頼んで来ましたから。伊達政道の五浦城下町を参考にさせるよう、政道を派遣したこともありますから」
と、茶々が指差す報告には俺が開発したドーム型の住宅が列ぶ庶民の家々が建っていた。
最上義康は俺の留守中には、茶々や森力丸に恥ずかしがる事なくプライドを捨て聞きに来ていた。
自分が育てた家臣が羽州の代表、そして、奥州は俺を兄と慕う、伊達政宗、そしてその弟で俺の重臣の伊達政道。
奥羽がうちとの縁から仲良くなっているのは、良い事だ。
「うちともだが、伊達家とは良き好敵手として、お互いに領地の発展に力を入れてく」
と、言うと、
「御意。その御言葉我が主、最上義康に伝えます」
と、返事が返ってきた。
「せっかく羽州に来たから、出羽三山行きたいんだけどなぁ~」
と、まだ雪が残る山々を見て言うと、茶々が
「私も登りとう御座います」
「ね、ただ、今回は時間がないから我慢かな」
「では、老いて隠居なさった時には是非とも登りましょう。約束ですよ」
と、笑っていた。
城下町を視察していると、猿飛佐助が城に怪しいものはないく警備も整ったから入城して良いと言ってきたので、城に入城して最上義康を待つ事となった。
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