第731話 ポキビ城視察その2
城に入り、五右衛門風呂で体を温め大広間に行く。
大広間はダルマストーブと、囲炉裏の火で毛皮なしでも大丈夫なくらいに温められていた。
一番上座に敷かれた熊の毛皮の上に座ると、料理のもてなしを受ける。
その料理が脂っこい。
鯨のベーコンの脂身や、トドの脂身の入った鍋。
寒い地では、人は生きていくためには高カロリーを必要とする。
熱を作り出すためにカロリーを消費してしまうからだ。
鯨肉は嫌いではないが脂身は苦手。
海豚とゴボウの味噌煮は大好物だが、脂身だけちょっとよけた。
ちょっと胃もたれが心配。
あとで熊の胆を飲むか。
「冬場はずっとこちらか?」
「はい、流氷がなくなるまでは私が常駐して警戒に当たっています。夏場は、カムチャツカ半島に行き、原住民との交易をしたりしています」
守琴は、千島列島とカムチャツカ半島も支配権と確固たるものにするべく働いていた。
「父上様、最近ロシア帝国が東への偵察を頻繁にしていると、大陸の商人が申しておりますが、いかが致しましょう?」
ロシア帝国は、ハプスブルク家などの残党が集結している。
「そうか、そのような情報が来ているのか。少々戦略を考えなくてはならないか。だが、守琴はこのまま大陸には手を出さず守りに徹してくれ。氏琴に新しい戦艦を託したから連絡を密にとり驚異には脅しで対抗せよ」
「はい、父上様」
食事を済ませ、守琴と二人で地図を見る。
「ここを占領するか」
と、ウラジオストクを指差す。
「では、その地を氏琴に?」
「いや、織田信忠様に言上して最上義康と上杉景勝を動かそと思う」
「左様ですか、私も出陣しとうございますが我慢いたします」
「うむ、守りも大切だからな」
と、酒を酌み交わしながら今後について語り合った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます