第716話 久々の日本
欧州イバラキ島を出て三ヶ月。
必要最小限の補給だけをして直航で目指すと、懐かしい景色。
鹿島神宮の大鳥居が見えた。
「帰ってきたか」
「マコ~久々だね。茶々姉上様元気かな~」
「驚かせたくてモールス信号機送っていないからな」
突然の帰るサプライズ。
驚いた顔を見たくて帰ることを内緒にしていた。
城に着く前に港に入港しないとならないからその段階でばれてはしまうのだが、突如帰ってくると言うのは必ず驚くはず。
鹿島の港に入港すると、
「大殿だ、大殿のお帰りだぞ~」
と、兵士達が大騒ぎとなった。
「うむ、皆、留守ご苦労」
と、ねぎらいの言葉を掛けると号泣して喜んでくれている者までいた。
「大げさだから。そんな泣くな」
と、肩を叩くとさらに泣いてしまった。
「皆、済まないが潜水艦の整備と補給を頼む。すぐに戻るつもりだから万全にしてくれ。潜水艦乗組員はしばしの休息とする」
と、指示を与え鹿島港から茨城城に向かう小船の手配を頼むと、
「大殿、佳代様がご提案なされた鉄道が試験的にですが走っています。どうですか?」
と、勧めてきた。
駅に向かうと小ぶりではあった物の間違いなく蒸気機関車だ。
「うん、せっかくだからこれで帰るか」
と、蒸気機関車に乗り込み陸路の懐かしい茨城の風景を楽しみながら茨城城へと向かった。
試験運転中と言うだけあってゆっくりゆっくりと進むトロッコのようであった。
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