第714話 帰郷準備
モールス信号を送って欧州イバラキ城に前田慶次、真田幸村、柳生宗矩、そして俺の息子の桃信を集める。
「いかがしました?父上様」
「ちょっと常陸国に帰ってくる。造船所や他の視察をしてきたいからな」
「御大将、どのくらいの間ですか?」
と、柳生宗矩が聞いてきた。
「約半年だ。妊娠している側室達は長い船旅は控えさせたい。だが、出産には間に合いたい」
「御大将の留守はしっかりと守らせていただきます。御安心下され」
と、前田慶次は言う。
「うん。皆が信頼出来るからこそ留守にする。側室達の事は松様にも頼む」
「げっ、松・・・・・・」
と、もういかな歳と言う前田慶次だが、今でも恐れているのが笑える。
「しばらくは国作りを進めてくれ。力を入れて欲しいのは寒冷でも収穫できる食物の栽培、そして、一つの穀物だけには頼らないいろいろな種類を生産することだ」
「はっ、心得ております。ハウス栽培を広めようと思います」
と、真田幸村が言う。
「うん、頼んだ」
「イタリアも日本と一緒で火山がある。火山があれば地震も起きる。今までうちで培ってきた地震・防災対策の技術は惜しみなく使い広めてくれ。そして、絶対に文化の否定はするな」
「ここにいる者は御大将と長年ともにしてきた者。そのような事を今更言われなくても大丈夫です」
と、柳生宗矩が代表して言うと皆、首を立てに振っていた。
「私なんか、旧貴族の庇護を受けていた絵師や音楽家を家臣の末席に加えました」
「本当に慶次は芸術が好きだね」
「はい。美しい物は美しいと。御大将の美少女より私は好きですけど」
「あははははははっ、そりゃそうだ。安心して任せそうだ。後は頼むぞ。今回の帰郷は秘密とし俺は、欧州イバラキ島内で陰陽力を高めるためにお隠
こも
り修行をしていることとする。良いな」
「「「「はっ、かしこまりまして候」」」」
四人に留守を頼んだ。
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