第699話 神聖ローマ帝国艦隊対黒坂水軍艦隊海戦・上

柳生宗矩に慣れさせるために一週間訓令航行をして、いよいよヴェネツィアに船を向けた。


柳生宗矩が守っていた砦は一時オスマン帝国の艦隊に任せる。


オスマン帝国艦隊も一緒に出撃をすると言うが、逆に足手まといになるため、遠慮いただいた。


俺は戦艦・伊弉冉尊に戻り指揮を執ることとした。


磯原佳代が改良した双眼鏡は良く見える。


遠くの海を見ていると、煙をもくもくと上げて近づいてくる敵の戦艦の群れ。


およそ50隻。


この短時間でよくもそれだけの数をそろえてきた物だと感心する。


相手の大砲も飛距離は匹敵するくらいまで伸びている。

そして、敵も潜水艦を使用している。

敵の潜水艦も進化している可能性も捨てきれない。

だが、こちらの潜水艦に勝てるだけの物を作れるとは到底考えられない。


考え出した作戦を開始する。


『キツツキ カイシ セヨ』


と、水中の柳生宗矩に指示を出す。

こちらは敵の目標になるように煙を大仰に出しながらも速力は落とす。

蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦

戦艦・摩利支天・艦長・真壁氏幹、戦艦・韋駄天・艦長・伊達政道の2隻を囮の役目を持たせるためにわざと先に進ませ狙い撃ちされないようにジグザグ航行をする。


戦艦・伊弉冉尊・艦長・黒坂真琴

戦艦・伊弉諾尊・艦長・真田幸村

戦艦・火雷神 ・艦長・黒坂桃信

戦艦・天之御影・艦長・前田慶次(お初代理)

は、その後ろを横一列になって進む。


Champion of the sea HITACHI号・艦長・佐々木小次郎

Champion of the sea KASHIMA号・艦長・柳生利巌

と、小型蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦20隻はその後ろ。

戦力として計算していない。


近づく船に向かって放たれる敵の大砲の水柱が次々と上がった。


『テキ シタ トオリヌケ カンリョウ』


と、モールス信号を受信した。


『ギョライ コウゲキ カイシ』


と、打ち返すと敵の船が3隻爆発をした。

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