第691話 マッドサイエンティストストーカー

俺は人に好かれるならストーカーされるほど愛されてみたいと思っている。

実際口には出さないでいたが、お江はなにげにストーカーだ。

俺公認だから、付き人か?

まぁ~護衛なわけだし側室だし、好きだし何か邪魔なことをしてくるわけではなく俺の趣味の理解者だから構わないが。


もちろんこれは俺の恋愛感であり、ストーカー被害に遭われている人は別の話。

本人が嫌がるならやめるべき行為で、場合によっては罰せられる行為だとも思う。そして、ストーカーをする側は大人しく身を引くのがマナーだとも思う。

俺は俺の事をそこまで愛してくれると言う事が、うれしいと言う事だけだ。

少々ヤンデレな彼女が俺には理想的。


そして、目の前には・・・・・・約400年先から追いかけてきたストーカーがいる。


磯原佳代。


聞かれるとまずい話も多々あるので、天守最上階に場所を移した。

お初とお江はどうしてもと言うので、同席を許した。

この二人は話を聞かれても問題は全くないので。


「佳代ちゃん、なんでここにいるの?一緒にタイムスリップしていたの?」


と、疑問を先ずは解消しないとと聞く。


「いえ、私はあのお寺からはタイムスリップはしてないよ。真琴君が行方不明になって修学旅行は中止で大変だったんだから」


「じゃ~どうして?」


「結婚するためにタイムマシーン作っちゃった。テヘペロ」


って、ごまかしていた。


「タイムマシーン作ったの?えっ?未来に帰られるの」


と口に出してしまうとお江が後ろからしがみついて


「マコは帰さないもん」


と言う。


抱きしめられた腕をポンポンと叩いて、


「帰るつもりはないから」


と、言い聞かせる。


「未来には帰れません。単純にタイムマシーンが壊れて修復不可能なのと、この世界は一本の線の世界ではなく複数ある世界の一つ。タイムマトラベルとパラレルワールドトラベルの両方をしないとならなく、この時間線の未来に出るのは不可能に近い物。私自身、おそらく真琴君がもともといた時時間線とは違う世界から来ていますよ。黒坂真琴は私の時間線ではバミューダ海域で遭難して歴史から消えていますから」


バミューダ海域の嵐・・・・・・俺が死を覚悟した嵐はずっと前の話だ。


「佳代ちゃん頭良かったもんね。科学好きだったし」


「そう、真琴君とタイムマシーンの映画の話をするのが本当に好きだったわ」


「マイ●ル・J・フォッ●スだよね。懐かしい」


磯原佳代とはタイムマシーンが出てくるような映画の話で盛り上がったのを覚えている。

確か、潜水艦物の映画も付き合って貰って水戸の駅前の映画館に行った事があったような。


「デロリアンで作りたかったけど、球体のが適していたからちょっと無理だったの」


と、笑ってみせる。


「そうそう、お土産」


と、鞄から取り出してくれたのはタブレット端末だった。


「ガルパン、ラストまでダウンロードしてあるよ」


「えっぇえええええ?あの手紙届いたの?」


「うん、届いてるよ。オタグッズも処分してとか、小説も処分してとかのだよね?あれ、未来だと国宝になってて世界中の人が黒坂真琴歴史博物館で展示されているの見ているよ。『夜伽交代誓約書』も。私もそれを書いても良いから。ね。」


・・・・・・・俺は頭を畳にぶつけ、


「うわ、うわ、うわ~~~~~~~~~どんな羞恥プレーだよ」


と、叫ぶと磯原佳代は不思議がった。


「安土萌文化の発祥の品だよ?みんな関心して見ているよ」


と言う???

パラレルワールドの未来・・・・・・。

そうだ、そうなる。

萌えが定着してしまった未来では俺の物は元祖的な物となることに。

そんな未来線もあると言うこと。


「で、結婚してくれるよね?」

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