第683話 イタリア半島統一と新ローマ教皇
前田慶次は1611年秋にはイタリア半島のほぼすべてを制圧した。
ヴァチカンも例外ではなく、考えが柔軟な司教が前田慶次に数名が降伏を申し出てきた。
『御大将、いかがしましょう』
と、手紙が届いたのでローマに送って貰った。
降伏をしてきた司教は比較的若い者が多く、考えが柔軟で、また、地動説も科学的に見て理解できると言う者たちだった。
その一人、アレッサンドロ・ルドヴィシオと言う学問を好む枢機卿が、
「常陸様の学問は大変興味深い。これはすべてが証明されるなら、間違いは間違いと認めなければ人間は神の作りし世界を偽ることとなります。私は宗教改革を断行したい」
と、申し出てきた。
「俺は別にキリスト教徒を殲滅するつもりなどはないのですよ。ただ、他の文化も尊重するように改めて欲しいのと、政治への介入をして欲しくはないのです」
「わかりました。お約束しましょう。私が出来ることなら協力いたさせてください」
考えを共感出来る者を頭に据えてしまうのが一番だ。
教主だろうと領主だろうと国主だろうと考えが共感できれば争いは起きない。
そこでローマで形ばかりのコンクラーベと言うローマ教皇を選出する会議を開かせ、アレッサンドロ・ルドヴィシオを新しいローマ教皇と定め、ヴァチカンに入らせた。
新ヴァチカン市国を建国させる。
この男は後に史実では、1621年2月9日に教皇に就任するはずだったグレゴリウス15世だと知ることとなる。
俺は二人のローマ教皇が存在すると言う日本の南北朝時代のような構図をつくりあげた。
ヴェネツィアに疎開しているクレメンス8世側は猛反発し、神聖ローマ帝国は争力をあげてイタリア半島奪還を開始した。
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