第682話 陰陽師補佐役磯原佳代と会津地震
私は常陸藩陰陽師補佐役と言う役職を受け黒坂真琴君の弟子と言うことにされた。
そうなると私のタイムマシーンですら、「なんだ、黒坂様の物か」と、納得され珍しがられることがなくなった。
タイムマシーンは私が未来へ帰る気がないので、その証拠として茶々様に預けることとした。
そして、私が始めたのは先ずは発電機の開発だ。
原理は真琴君が提案していたようで試作を繰り返していたが上手くはいっていない様子。
株式会社常陸技術開発研究製作所で培った技術で蒸気機関で発電機を作ることなど私には朝飯前だった。
ガラス職人に電球を作らせ、竹の繊維の炭から作ったフェレメントが光り輝いたときには、工房の皆が驚いていた。
発電機が出来れば次は最低限の通信機を作りたい。
そこでモールス信号通信機を作る。
これも私には朝飯と言うより朝の顔洗い前くらいたやすい物。
電気の概念がわかっている黒坂家の家臣達は電波の概念を説明すると受け入れるのが早く、『怪しき物』と警戒されることはなかった。
この二つを今作っている船に取り付けさせた。
さて、船の高速化か・・・・・・ジェットホイル型の船というわけにはいかないだろう。
ん?潜水艦の試作をしているって真琴君は何を考えているのよ。
蒸気機関で潜水艦って無理があるから。
えっ?内燃機関も一応は開発を進めている?えっ?真琴君の提案ってローターリーエンジン?
もう真琴君は、変なこだわりがあるのよね。
そこが真琴君らしいけどローターリーエンジンは今は無理。
ごく普通のピストン式エンジンの開発を始めるわ。
原油は越後の新発田あたりから取り寄せて、精製してと。
タイムマシーンを作り上げる私には簡単な事よ。
デーゼル式エンジンを船に取り付ける。
・・・・・・そう言えば真琴君が読んでいた漫画には潜水砲撃艦が活躍していたわね。
ああいうのが欲しいはず。
今作りかけているのをそれに変えるわよ。
と、電子辞書でいろいろ調べていると『会津地震』と言うのが出てきた。
あっ、これも今年なんだ。
すぐに茶々様に知らせる。
会津地震1611年9月27日に巨大な地震を会津に起きると伝えると、伊達家と最上家と上杉家に指示を出した。
『黒坂常陸守真琴の予言』として。
あぁ~私、真琴君の役に立ってる?私の頭脳は真琴君の物。
私の体も心も爪の先から髪の毛の先まですべて真琴君の為の物よ。
あのとき告白できなかった悔しさが私を変えたの。
あぁ、早く会いたい。
一つになりたい。
真琴君。
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