第660話 オスマン帝国と日本国・日土通交通商条約

 細かい締結する通商条約の内容を詰めるのにカルタゴに滞在する。


宿泊は流石に城の中と言うのは控えたいので、夜は戦艦・伊弉冉尊に戻って朝になって上陸して会議となる。


通商条約はお互いに互角で平等となるように支払い方法を決める。


不平等条約にならないように注意する。


その中に、日本軍がオスマン帝国の港に駐留できるようにも盛り込む。


蒸気機関鉄甲船の運用方法や修繕方法メンテナンス指導もしないとならないからだ。


そして、お互いの国に大使館の設置をすることも決める。


日本国には安土に設置する。


オスマン帝国は、


「おにいちゃんが好きな場所にしたら?おにいちゃんは行ったことがないはずなのに世界の地図が頭に入っているんだよ。お兄ちゃん、でね、古代遺跡が好きなんだって」


と、アセナが説明してくれる。


「はははははっ、そうか、そうか、真琴様はそう言う趣味も持っているのか」


と、アメフトスが言う。


「確かに好きだけどな。大使館は俺が入るわけではないし、大使としては織田家の者になってもらいたい」


と、言うとお江が、


「マコ~、マコはもう十分織田家の人間だよ」


と、言う。


確かに嫁に三人織田信長の姪、そして娘も織田宗家の跡取りに嫁がせた。


織田家の人間でないと言うには無理があるのかもしれない。


「なら、うちの子どもに任せるか?信忠様に承認いただいて」


「うん、それが良いと思うよ」


誰かいたか?適任になる息子・・・・・・いや、娘だって良い。うちは男女平等政策をとっている。


大使という重役に娘というのも悪くないはずだ。


これは後々考えよう。


織田家の血を引き継いでいる者なら七男の猿田がいる。


年齢的に考えれば次女・仁保、三女・那岐、四女・那美がいる。


三人は今、常陸の学校で教師として活躍しているそうなので悪くはないだろう。


大使館か・・・・・・、俺が出入りするところ・・・・・・となれば行きたいところはただ一つ。


「カイロ、ナイル川のほとりのカイロ、もしくはギザに頼みたいですね」


エジプトに好き勝手できる住居は欲しい、ピラミッドが見える場所に。


「おおぉぉぉぉぉ、本当になんでわかるんですか?あそこには古代の王が眠るピラミッドがあります」


と、アメフトスは驚いていた。


平成時代ピラミッドの王墓説は否定的な説が有力になっていたはずだがその知識は黙っていた方が良いだろう。


大好きな土曜の夜の長寿クイズ番組で度々特集されていたから一番好きな古代文明かもしれない。


そして、20世紀最大の発券とされる墓の発見された場所だって知っている。


発見者が『黒坂真琴』になるのも悪くないな。


すべてが落ち着いたら墓掘りの余生・・・・・・楽しいだろうな。


などと考えながら話を進める。


ナイル川ほとりに日本大使館を作ることは当然認められた。


細々したことを一週間で決め、ここに『日土通交通商条約』が締結された。

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