第659話 オスマン帝国アメフトスと兄弟杯

 「オスマン帝国と日本国との国と国の正式な条約を結びたい」


俺は同盟プラス通商条約考えた。


これからグローバル化していくなら通商条約は必要だ。


「ふぉっふぉっふぉっ、こちらは異論はありません」


と、ムリタファスは言うと皇帝アメフトスも頷くが思わぬ一言が出た。


「国と国の約束も大切ですが、私個人的に常陸様と親密な関係になりたい」


「・・・・・・は?」


額に嫌な汗が出始める。


BLルートはないはず、なかったはず、これからもないはず。


「兄弟の杯を交わしたい。日本ではその様な文化があると聞きました。私も是非ともそれをして常陸様と兄弟になりたい」


オスマン帝国皇帝アメフトスの妹アセナは俺の『側室』と言う名の妻、となるともともとからアメフトスは義理兄の関係になる。


今更な気がしないでもないが、


「私は常陸様を崇拝しております。是非とも我が兄に」


アセナは両手を合わせ指を絡めて願うように俺を見ていた。


「なら、五分五分の兄弟杯、どちらが上どちらが下と定めない兄弟杯なら良いでしょう」


そう言うとアセナは、『鹿島御神水仕立て御祓い済み御神酒・黒坂』をすぐに準備した。


アセナはアメフトスとの手紙のやりとりで、兄の願いを知っていたそうだ。


「兄弟杯のやり方は実は知らないので、杯を飲むときにお互い自身が信じる神に裏切ることをしないよう宣誓しましょう。そして杯を交換する」


兄弟杯の正式なやり方なぞは知らない。


任侠の世界を描く映画で見たことがある程度だ。


「常陸様にお任せ致します」


と、アメフトスが言うので俺流の兄弟杯を交わした。


「武甕槌神の大神に誓いアメフトスを未来永劫兄弟とする」


「アラーの神に誓い黒坂真琴を未来永劫兄弟とする」


注がれた日本酒を飲み干しその杯を交換した。


オスマン帝国皇帝アメフトスは義兄弟となった。


俺はもともと贈答用に用意していた鞘に美少女の蒔絵を施した水戸刀をアメフトスに贈り、アメフトスもまた、金銀宝石で装飾されたイスラム圏で使われる刀ヤタガンをくれた。


蒸気機関鉄甲船は戦艦バージョン3隻・輸送船バージョン5隻の売買が決まった。


そして、喉から手がでる・・・・・・いや、俺の分身が口から出そうなくらい欲しかった美少女が柄になっているペルシャ絨毯とクッションも貰えた。


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