第643話 潜水艦
俺が洞窟で叫んだあと、性能試験をしないで保存してある敵の潜水艦を見ながら真田幸村が、
「しかし、御大将もこのような船を御考えなんですよね?」
敵の潜水艦は、勝つために決定的欠陥を持った潜水艦を造ってしまったが、俺は違う。
「あ~俺が考えているのは、注水された水はポンプを使って排水して浮上する。それでも浮力が得られない時には、船底に付けた錘を船内のボルトを外すことで切り離し浮力を増させ浮上する仕組みを図面に書いているから、このような人間魚雷ではない」
タートル型潜水艦とハンリー型潜水艦をモチーフにしている。
それをうちの優秀すぎる船大工に丸投げして開発させている。
「御大将の未来では強力な兵器なのですか?」
俺が未来人である事を知る真田幸村は質問してきたので、潜水艦が世界中の海を強力なミサイルを持ったまま深い深い海に潜んで展開している話をした。
自国が攻撃されても報復攻撃が出来る事や、敵国近くで奇襲的にミサイルを撃つ事が出来ることも。
すると、真田幸村は眉間にしわを寄せ、
「確かにこの広大な海に出撃して潜んでいたらわかりませんね。恐ろしい兵器だ」
と、納得していた。
俺は流石に、大陸間弾道ミサイルまでは造れないが、敵国拠点近くに浮上して砲撃する潜水艦を造りたいと考えている。
その船が出来れば、間違いなく制海権は安泰。
日本が世界を制するのは夢物語ではなくなる。
そうなれば、政教分離も現実味が出てくる。
「マコ~、海の底ってどんなんなの?」
と、お江、
「海の底は深くなれば光が遮断され真っ暗闇の世界、水圧と言って水にぎゅっと押し潰される世界なんだけど、それでも魚達は生きている不思議が詰まった世界なんだよ」
「へぇ~、見てみたいなぁ~」
と、お江は目をギラギラと輝かせ興味津々、
「そうだな、戦いが終わったら海の底を見るための潜水艦も造りたいな」
流石に深い深い海底は今の技術では厳しいだろうが、海底調査を目的とした潜水艦を今から造り出せば未来では、俺が知るよりさらに発達した潜水艦が出来、海底調査から海底火山や断層調査に役立つ技術になるのでは?と、思う。
平成でも、海底はまだまだ知られていない世界だったから。
海底調査技術が進めば、アトランティス大陸やムー大陸の発見も有り得なくないだろうなぁ~と、考えていると人間魚雷で落ち込んでいた気持ちが少しだけ楽になった。
やはりお江は実は頭が良いと言うのか空気を読むと言うのか、俺の心を読むと言うのか、落ち込んだ俺を復活させるすべを知っているのでは?と、思う。
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