第641話 サルデーニャ島改名・欧州イバラキ島
サッサリ港城塞に到着すると真田幸村が出迎えた。
「出迎えご苦労。無傷でこの城塞を攻略したのは凄いな」
と、褒めると、
「猿飛佐助達がやってくれました」
と、喜び顔で誇らしげに真田幸村が言う。
その少し後ろで控える猿飛佐助は偉ぶりもせず頭を下げていた。
「猿飛佐助、一万石の加増とし直臣とする」
真田幸村の家臣だった猿飛佐助を一万石として直臣に加える事とした。
「ありがたき幸せ」
と、猿飛佐助は頭を下げるだけだった。
「御大将、俺の家臣を取らないでくださいよ」
と、真田幸村は口では言うが顔は笑っており自分の家臣が出世したことを喜ぶ良い上司の顔を見せた。
「では、猿飛佐助は真田幸村の与力としておく、そすれば今までとは変わらないからな。それより桃信の顔が見えないようだが?」
と、真田幸村に聞くと、
「内陸に兵を率いて向かいました。島民をこちら側に取り入ると言って、霧隠才蔵が一緒ですので大丈夫かと」
「少しは武人としての経験を積まねばならないから、危険に接するのも良いだろう」
親心としては心配だが、武士としての成長もまた願う気持ちもあり、少し複雑な感じはした。
日本の四国より大きな島は誰かが内陸部まで進行しなければならず、それが北斗七星桃信が自ら買って出たそうだ。
カリャリを攻めた信海と柳生宗矩・前田慶次は港の再整備に集中しているため余裕がないという。
「御大将、サルデーニャ島は今後どのようにいたしますか?」
「地中海を制するための拠点とする。その為、左甚五郎一派も連れて来ている。甚五郎、すぐに城塞の改修を始めてくれ」
と、指示をする。船ですでに打ち合わせはしてある。俺の城としての改修。
「殿、お初の方様がいないから今回は隠さず出来ますぜ」
と、腕をまくって意気込んで取りかかった。
「御大将、ここを拠点とするなら名を改めてはいかがでしょうか?ヒタチ島などと」
と、提案してきた真田幸村だが、それも考えてある。
今まで世界各地の地名は平成時代で知った名前を採用してきたが、今回ここを拠点とするためにすでに改名を決めてある。
「うん、ここは大切な拠点とするために考えてある。これだ」
船で書いていた命名紙を皆の前で披露した。
「サルデーニャ島改め、欧州イバラキ島と名を改める。そして、サッサリ港城塞を欧州イバラキ城とする」
と、お江が、
「本当にマコは郷土愛が強いですね~」
と、笑っていた。
「ふふふふふっ、未来で茨城を馬鹿にさせないために考えた」
「茨城って馬鹿にされるの?暖かくて肥沃な大地で作物は多く採れ、海の魚もいっぱい捕れる住みやすいところなのに?」
と、お江は不思議がってくれていた。
「東の日本の茨城と、欧州に西のイバラキを作り発展させる。茨城の名を世界史に残すために考えたのだ」
と、言うと、真田幸村はなんだかな~と、苦笑いをしていた。
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