第629話 バードリ・エルジェーベトの娘、羽柴・オルショリャ・エルジェーベト

 ジブラルタル城に集った艦隊はバルセロナにいる真田幸村と合流するべく出航した。


それを見送った後、バードリ・エルジェーベトを執務室に呼び出した。


「あら~、ついに私を抱く気になったかしら、いつでも濡れ濡れ準備は良いわよ」


との第一声の下ネタは、もう慣れた。


「あなたが準備万端でも、こちらは準備万端にはなりませんよ」


「くくくくくっ、なら、私の口技で立たせてみせるわ」


「下ネタはもう良いので。真面目な話しをしますよ」


「くくくくくっ、あら、なにかしら?」


「バードリ・エルジェーベト、あなたにはスロバキア国王を名乗っていただきます。亡命国家スロバキア王」


「亡命国家スロバキア王?」


「そう、あなたの城、チェイテ城のあたりを俺はスロバキアと呼ぶので」


と、世界地図を見せ指さした。


「私がその国王を名乗ると、黒坂常陸様に都合が良いのね」


「はい、神聖ローマ帝国やバチカンを攻め落とす理由はそれなりには出来ましたが、この東ヨーロッパ付近を攻め落とすにはいささか理由が薄い。しかし、元領主であるあなたの領地回復の大義があれば話しはいささか違う」


「くくくくくっ、なかなか面白いことを考えていたのね」


「その為にあなたの潔白を晴らした訳ですが」


「良いわよ、好きにしなさい。その代わり、一つだけお願いがあるの」


「あなたのことは抱きませんよ」


「くくくくくっ、私が年上だから嫌なのよね?」


「はい、熟女の趣味はないので」


「くくくくくっ、だったら私の娘なら良いでしょ?17よ」


「え?」


「オルショリャ、入りなさい」


と、バードリ・エルジェーベトが廊下に顔を出して言うと、バードリ・エルジェーベトとうり二つだが、若い女性特有の甘い匂いを香せる同じくゴスロリの服に実を包んだ者が入室した。


「オルショリャ、ご挨拶しなさい」


「ふふふふふっ、羽柴・オルショリャ・エルジェーベトよ。私の穴に入れなさい」


と、バードリ・エルジェーベト並みの下ネタを言ってきた。


「羽柴?」


「秀吉の命でね、養女とした上で黒坂常陸様に嫁がせよって言うの。私も嫁がせたいのよ」


・・・・・・羽柴秀吉の養女。


言動は残念だが、150センチない身長の小さなバードリ・エルジェーベト・・・・・・オルショリャ・エルジェーベトは以外に綺麗な顔立ちをしている。


それを後ろで黙ってみていた、お初の顔を見ると


「もう、好きなようにしたら?私はもうお手上げ」


と、お初は諦めモードに突入していた。


「くくくくくっ、決まったわね」


「ふふふふふっ、棒入れられるのね。・・・・・ちなみに処女よ」


ここに来てキャラクター濃いのが側室か、まあ良いだろう、何やら面白い匂いもする。


羽柴秀吉とは距離を詰めずに来ていたが、前田家とばかり好意にしていると内輪もめの火種になりかねない。


ここは、オルショリャ・エルジェーベトを側室として迎えよう。


「側室になる条件は・・・・・・」


と、言おうとしたときバードリ・エルジェーベトが、


「くくくくくっ、もう教え込んでいるわよ。他の側室と仲良くすること、他国の文化を尊重すること、宗教には寛容であること、黒坂常陸の秘密に触れてはいけない、そして、夜伽の交代制を守ることでしょ」


・・・・・・天井に張り付いていたお江を見るとお江は目をそらしていた。


教えたのは、お前かぁ~、って、お江がすでに話し付けていた事に少々驚きだった。


「全部承知して側室となるなら良いでしょう」


「くくくくくっ、私と容姿がうり二つでも受け入れるなら私も良いわよね」


「ん~、若い匂いが大切なので」


と、言うと後ろで大きなため息をしたお初が、


「女の子の匂いが好きな阿呆なのよ」


と、言っていた。


「良いじゃん。俺の性癖なんだから」


「ふふふふふっ、あたしの匂いも存分に嗅ぎなさい」


と、オルショリャ・エルジェーベトが扇子を仰いで俺に体臭を送ってきた。


外見バードリ・エルジェーベトなのに若い良い匂いがするのが複雑性からか萌えた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る