第626話 的中
悪い予感とは当たりやすい物で、ジブラルタル城下町に潜入しようとしていた怪しい者達を城門外で見つけ、戦闘になったと連絡が来る。
「現在、ジブラルタル城下東海岸で小規模の戦闘が行われています」
と、伝令が来る。
「よし、俺も出撃する」
「お待ちください。私が行きます」
と、お初が言う。
「いや、俺が直接行って指揮を執りたい」
「なりません。大将はしっかりと構えていてください。私の腕を信じられませんか?」
強い眼光で私に任せなさいとお初は目で訴えていた。
「いや、そうではないが、生きて捕らえたいからな」
「わかりました。あの不思議な薬を使って聞き出したいのですね。お任せください」
そう言って、お初は兵を率いて出撃する。
日が暮れる頃には城に戻ってきて、申し訳ないように落胆の表情をしていた。
「すみませんでした。敵は逃げられないことを察すると自害して果てました」
「・・・・・・そうか、仕方ないだろう。うちの兵士も捕まり生き恥を晒すくらいなら自害を選ぶだろうからな。うちの兵の被害は?」
「それは有りませんでしたが」
「それを喜ぼう。兎に角、敵は海岸線に侵入経路を確保したと思って良い。海岸線の警備を厳戒態勢にするように手配を頼む」
マドリードの蒲生氏郷にも手紙を書き、北海岸線の警備を厳戒態勢にするように早馬を走らせた。
制海権を持つこちら側に対抗する為の船を躍起で作ったのだろう。
蒸気機関鉄甲船に対抗する為、潜水艦を作り密かにChampion of the sea TSUKUBA号を攻撃したり、密入国しようとしている。
平成時間線の常識をこちら側が越えたなら、あちら側も越えてくる。
優位のまま続くとは限らない。
色々な物が早く開発されてしまう世界になったと思わなければならない。
戦争は様々な技術を進歩させる。
船舶、武器、工業、医療・・・・・・。
しばらくは海の戦いは続くはず。
そんなことを考えていると、柳生宗矩から水中爆破式焙烙玉の完成の知らせが入る。
「よし、小型木造帆船を護衛艦として配備をする。水面監視に力を入れ、水面に異常を感じたら兎に角焙烙玉で攻撃せよ」
相手側の潜水艦がどのような物かを知りたいが、今はうちの戦艦を失う訳にはいかないので、撃沈を最優先に命じた。
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