第624話 新戦艦建造計画

 艦隊集結までジブラルタル城で、武器弾薬、食糧の調達の手配をする。


南北のアメリカ大陸のインカ帝国・アスティカ帝国・マヤ帝国からの調達の目処をたてる。


伊達政宗・森蘭丸の統治能力によって、アメリカ大陸から物資が調達出来るくらいになっている。


その物資をイスパニアにある程度備蓄をする間は、こちらから攻める事はしない。


戦争は戦力・戦略・戦術そして物資の補給が続くかが勝敗の鍵を握っている。


戦力は圧倒的であっても補給が続かなければ弾薬がなくなり得意の艦砲射撃攻めが出来なくなってしまう。


下準備は必要。


相手に防備を整える時間を与えてしまっているが仕方がない。


その待つ間、新しい戦艦建造計画の案を絵にしていると、


「マコ~、戦前に沈む船なんか書いたら不吉だよ」


と、お江が忍び込んで後ろから見ていた。


お江は俺が書く絵が好きなので、気になって仕方がない。


「ははは、沈む船か、これは沈んでいる船なんだよ」


「え?」


お江は首を捻るのは当然、船は沈んではいけない!そう考えるのが一般的。


しかし、平成では違う。


昭和に大発展を遂げた沈んでいる船『潜水艦』を絵にしている。


潜水艦と言えば、第一次世界大戦のドイツが開発したイメージがあるが、実は歴史は古く1600年初頭にはオランダ人発明家が作ったとか、大阪夏の陣で使われた記述があるとか言われている。


俺は子供の頃、ソ連が開発した潜水艦ごとアメリカに亡命する映画にはまり、潜水艦物の映画の大ファンで一時期調べていた事もあるくらいだ。


蒸気機関とは言え、スクリュー推進をも開発したうちの建造技術なら今から開発に取り掛かるべき物だと俺は考えた。


実戦に投入出来るようになるまでは時間はかかるだろうが、どこよりも先に配備すれば七つの海の制海権維持は盤石になるだろう。


「お江、この絵と説明書を信頼出来る配下に持たせて茶々に送ってくれ」


「マコ~、それは任されるけど、茶々姉上様宛てにちゃんと手紙書いてる?」


「あっ!」


「もう、少しは茶々姉上様を気づかうくらいの手紙は書かないと駄目だからね」


「うん、ついつい忘れていた。ちゃんと書かないとな」


茶々宛てに常陸国を任せたままですまない、こちらは元気だ、茶々も身体大切にしてくれ。

そして、


『この戦いが終わったら世界を一緒に旅しよう』


と、締めくくり手紙を書いた。


茶々にも世界を見せてやりたい。


その日が来るまで互いに頑張ろうの、意味を込めて。

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