第621話 オスマン帝国同盟

「アセナこれを、オスマン帝国皇帝アメフトス殿に送りたい、間違いがないように俺の息子を使者として送る。その案内にアセナの側近をつけて欲しいのだ」


オスマン帝国皇帝アメフトスに書いた同盟を結ぶための手紙だ。


織田信長からの許しは出ている。


アセナが側室になり縁戚とはなっているが正式な同盟を結んでいない。


「わかったわよ、おにいちゃんの子なら私の義理の子、間違いないように私の子供の頃から世話してくれている者を同行させるわ」


そう言ってアセナは手配を始める。


北斗と経津丸と伊達政道を呼び出す。


「父上様、大切なお役目とは?」


と、北斗。


「父上様、私達で良いのですか?」


そして、経津丸。


「あぁ、大切な使者だ。世界を変える同盟となるんだからな、俺の息子である北斗、経津丸、そして、重臣である伊達政道が良い」


「御大将、私が重臣ですか?」


と、伊達政道。


「城を預け、船も預けている。それを重臣と言わずなんと言う?」


伊達政道はどうも小姓と言う立場から抜け出ていないが間違いなく重臣。


伊達家との架け橋になった有り難い人物だ。


俺の息子の嫁の叔父なわけでもあるのだから。


「俺は、政教分離の社会を作りたい。政治に宗教を持ち込ませない、いや、介入があってもその影響力を抑えられるようにしたい。その為に、バチカンを敵にする。そして、その同盟国にオスマン帝国を選ぶ」


オスマン帝国はアラブ圏な為、イスラム色が強いイメージだろうが、広大な領地を長年維持し続ける為に、各民族・地域色・文化を尊重する多宗教国家、そのオスマン帝国は同盟国に都合が良いと考えた。


オスマン帝国が安定するとイスラム教も多数ある派閥の一派だけが強くなるような事はないと考えたのだ。


そして、側室が皇帝の妹。


向こうも同盟は望んでいるはず。


バチカンそして、ハプスブルク家を敵にする以上は同盟を結ばなければ戦は広がり続け大戦乱になってしまう。


東と西から挟み込んで戦うのが戦乱を最小限に抑えるのに良いと考えた。


「蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦・韋駄天・船長・伊達政道、二人の使者を頼んだぞ」


「はっ、しかと、この政道、命に代えましても二人を御守りいたしますって言うと御大将怒りますよね。しっかり帰って来ます」


そう言ってすぐに出港した。


そして、次に各地に散らばる俺の艦隊集結を命じた。

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