第619話 血抜き悪魔捕縛
「私の使用人達が、申し訳ありませんでした」
と、俺に謝ってきたのはバードリ・エルジェーベトだった。
すでに、バードリ・エルジェーベト邸の捕り物の一部始終はお初から報告が入っている。
柳生宗矩が手配した取り方がバードリ・エルジェーベトの屋敷を取り囲んみ一斉に押し入ったそうだ。
「上意・右大臣黒坂常陸守真琴の命により全員を拘束する」
武装し同行した、お初が指示を出すと使用人達はサーベルを抜き迎え撃とうとした、そこをバードリ・エルジェーベトが、
「やめなさい。最後ぐらい往生際良く捕まりなさい」
と、一括するが使用人の一人がバードリ・エルジェーベトを捕まえ首元にサーベルを当て
「くそ、ナーダシュディ卿の時には好き勝手に出来たのに、ちきしょー」
と、吠えた。
「夫は血を好んでいましたからね。しかし、私は嫌いだった。さあサーベルを放しなさい」
と気丈に振る舞うバードリ・エルジェーベトに対して使用人は、
「夫人を殺されたくなかったら道を開け~い。だいたい夫人のそばで好き勝手にやって罪を押しつけてしまえって言ったのはローマ法王陛下なのに・・・・・・うわ~ちきしょー」
と、言うときにお江がスッと背中側に回ってバードリ・エルジェーベトを捕まえていた使用人を後ろから兜割で叩き気を失わせ、それを取り囲んでいた仲間の使用人達4人を猿飛佐助、霧隠才蔵達が一気に制圧し捕縛した。
調べてみるとその使用人達は『黒騎士』の異名を持つ残虐な軍人でバードリ・エルジェーベトの元夫の部下達だった。
オスマン帝国との戦争に明け暮れ精神が破綻してしまった者達。
人殺しは快楽になってしまった者。悪魔に魂を売ってしまう寸前の者達。
バードリ・エルジェーベトの使用人達も地下牢に閉じ込め自白剤で吐かせる。
やはり名前が出てきたのはローマ法王やバードリ・エルジェーベトを追い出したバートリ・ガーボル、そしてその王であるハンガリー国王マーチャーシュⅡ世であった。
そして、執務室でバードリ・エルジェーベトに謝られている俺。
「雇い主としての責任はありますよ」
「はい、わかっています」
「だが、使用人達はばれないようわざわざ倉庫まで借りて蛮行に及んだ。それにあなたは学校の仕事を真面目にやり忙しかった。そして、使用人達は裏で糸引く者達とグルになり貶められた。よって、あなたは被害者でもある」
「え?」
「罪にはつらない代わりにあなたには手駒になっていただきます」
「え?私は許されるの?」
「ええ、ですが、これからは俺の言う通りに動いて貰いますから覚悟してください」
「脱げば良いのね。すぐに脱ぐは、好きなだけ私の体をむさぼってください」
やはり下ネタにいくのねバードリ・エルジェーベト。
「あなたの体を見たところで俺のチンポニウスは立たないのでやめてください」
「大丈夫よ私のこの手と口でどんなインポも立たせてみせるわ。あの猿のだって立たせるんだから」
「兎に角それは、求めていません。っとに、困った人だ」
「ごめんなさい。私はなにをすれば良いの?」
「おいおい指示しますから、残った事件に関わっていない使用人達も全て解雇してください。羽柴家の家臣、それとこちらで何人か差し向けますからその者達を傍に」
裏柳生の者達をバードリ・エルジェーベト邸に送るよう指示を出す。
バードリ・エルジェーベトには使い道があるので生かす選択をする。
いずれ・・・・・・。
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