第618話 血抜き悪魔
ジブラルタル城地下牢で柳生宗矩だけを立ち会わせて、椅子に縛り付けた17人に自白剤を無理矢理飲ませる。
「ふぇふぇふぇふぇ、ここは天国か?おぉ~大天使ミカエル様」
「ガブリエル様が迎えに来てくださった」
「ラファエル様が・・・・・・」
17人のほとんどが大天使の名を口にしていた。
この段階ですでに誰が俺に刺客を向けさせたのかが容易に想像が付いた。
俺は夢の世界に精神が飛んでしまっている17人に対して、
「神デウスが申しつける。黒坂真琴を殺すように仕向けた者の首謀者の名と血抜き悪魔の正体を申せ。さすれば天国への導く」
「はい、デウス様、血抜き悪魔はバードリ・エルジェーベトに同行させた執事達です」
・・・・・・。
柳生宗矩はドアから外に指示を出していた。
「狼男狩りは誰に頼まれた」
と、再び聞き直すと、
「神聖ローマ帝国皇帝・ルドルフⅡ世」
「ローマ法王パウロⅤ世」
「ハンガリー国王マーチャーシュⅡ世」
「バートリ・ガーボル」
「ロシア公・フョードル・イヴァンノヴィチ」
ハプスブルク家と反ハプスブルク家が手を結んでいた。
そして、ローマ法王も。
「なぜに殺そうとした?」
と、質問すると、
「新大陸の支配がしたかった」
「イスパニアを我が物にしたかった」
「バチカンの敵、黒坂真琴は神をあざ笑う異端者」
「平民に教育するなど言語道断、あやつらは殺さないくらいに搾取するための道具」
・・・・・・呆れるしかない。
まだ、イスパニア帝国皇帝フィリップの敵討ちのが理解できる理由だったが・・・・・・。
「いかが致します。御大将」
「全員、地獄の業火の刑だ。一ヶ月後執り行う。世界にふれをだす」
「一ヶ月も生かすのですか?」
「ああ、だが、その間痛めつけたりするなよ。民衆の前で綺麗な体を晒して、今述べたことを言わせてから地獄の業火に入れる」
「はっ、わかりました」
自白剤を飲ませて民衆の前で今と同じやりとりをする。
そして陰謀をすべて公表した後に刑を執行することに意味がある。
その火が戦いの狼煙になる・・・・・・。
やはり潰さないとならないな、宗教のしがらみは。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます