第617話 捕縛
雪がちらつく夜、狼男が3人路地裏を進む・・・・・・。
「きたな」
と、小声で言うと2人は頷いた。
狭い路地にわざと進む・・・・・・。
進むにつれ追ってくる者の足跡が増え始めていた。
そして、あらかじめ想定していた路地裏で振り向くと、追ってが
「悪魔退治だ。我らがその首いただくぞ」
サーベルを持つ男と10人、片手斧を持つ男が5人、そして、旧式短火縄銃を構える2人。
狙いをさだめて討とうとする瞬間・・・・・・と、火縄銃の男二人は後ろから来た無音の小さな狼に頭を殴られ気絶した。
それが戦いの合図になり、サーベルの男達がこちらに向かって走り出す、片手斧の男達はこちらに向かって斧を投げてきた。
しかし、あっという間の戦い。
柳生宗矩と柳生利巌が斧を素早く斬り落とす。
この二人にとっては飛んできた斧も棒きれ同然、真っ二つに斬り落とすと、隠れていた真田幸村と共に猿飛佐助や霧隠才蔵の忍び衆30人が建物の上から飛び降りてきて、一斉に間引きした刀で相手を倒す。
俺が抜刀する必要すらなく、戦いはあっという間に終わり、静かな夜に戻った。
気絶した17人を静かに運ぶ家臣達を横目に、小さな狼は俺に抱きついてくる。
「お江、お前恐ろしいな・・・・・・」
「へへへへっ」
と、笑っている。
頭をなでてあげると喜んでいた。
俺の側室でなかったらと思うとちょっと恐い。
倒した敵をジブラルタル城の地下室へと運ばせた。
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