第615話 無音のお江
「聞いちゃった、聞いちゃった」
と、天守で一人になった所に現れたのはお江だった。
無音どころか気配を消すのが美味い。
手練れである猿飛佐助や柳生宗矩が最近では降参するくらいに。
「マコが餌になるのと同時にバードリちゃんを使うつもりなんでしょ?」
と、俺の執務室の世界地図を見ながら言う。
「流石にお江だな。折角こちら側になったバードリ・エルジェーベトを使わない手はないからな」
「ふぅ~ん、まっ良いけどさ、私も血抜き悪魔狩り付いていくからね」
「お江の腕なら大丈夫か・・・・・・ちゃんと防具は着けてくるんだぞ」
「うん、わかっているよ。それより生け捕りにしたどころで自供しないと思うんだけどどうするの?マコ拷問好きじゃないでしょ?」
「拷問はしないさ。むしろ綺麗な体で処刑したいからな、そのほうが民衆にさらして処刑するのに説得がある。拷問の傷がある者を「こやつが犯人です」と処刑したところで民衆の俺への疑念は払拭できないからな」
「あっ、知っているんだね、巷でマコが怪しいって声があるの?」
「そのくらいはな」
「でも拷問しなかったら吐かないんじゃない?」
「ふふふっ、それは俺に考えがあるのさ。ちょっとズルだがな」
「えっ、なにするの?教えてよ~マコ~」
と、言うが俺はお江には秘密にした。
お江を信頼していないから?違う、なら、なぜか?
俺に使われると厄介だからだ。
だから教えない。
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