第612話 止まらぬ血抜き悪魔
バードリ・エルジェーベトの疑いは晴れるがその事を伏せ、俺が疑いその裏にはハプスブルク家やバチカンの神聖ローマ帝国がいるのでは?と言う噂を流させる。
商人を通して地中海全土に。
本来の目的は、おそらく俺に罪を擦り付けたいのだろう。
評判を悪くし、失脚させるのが狙い。
俺は一応は織田信長の下で働く者、悪い噂が続けば織田信長が罰すると浅はかな考えを持っての事ではないか?と、推測をした。
毎週のごとく被害者は出続ける。
悔しく憎く腹立たしく俺はこっそり城を出ては、夜な夜な見回りを繰り返した。
寒さが苦手な俺が冬眠したい季節になっても、蛮行は続いたので、冬であっても俺は街中に出た。
愛用の毛皮を着用して。
愛用の毛皮・・・・・・真田昌幸から貰った熊か、狼か。
熊はなんか、千葉の舞浜に居そうで可愛いらしくなってしまい一度笑われたので狼の毛皮をかぶり防寒にして街に出た。
すると、「狼男」が出没するとか巷で噂が流れ出す。
うん、なんかヤバい方向に行っている気がするぞ。
案の定・・・・・・、
「血抜き悪魔の次は、狼男が出るようになったと噂がありますよ」
「らしいな。狼男とはまた、物騒な事だ」
執務をしている俺に言ってくる、お初。
「わかってますよ。狼男なんでしょ?」
「う、うん。いやあのだな夜回りをしないと・・・・・・!?」
椅子の後ろに回り俺の首に手を回す、お初。
え?激怒?絞められちゃう?内緒で出たことを怒る?
「馬鹿、やめてって言っても続けるんでしょ?せめて誰か連れて行きなさいよね」
そう言ってお初は優しく俺を後ろから抱きしめ耳後ろで囁いた。
実は優しいお初。
「うん、わかった。宗矩に手練れを出させよう」
その夜、
「なんで宗矩と利巌が出張るかな?家臣とか手練れいるでしょ?」
柳生宗矩とその家臣、柳生利巌が一緒に見回りをすると言う。
しかも、俺と同じ狼の毛皮をかぶり。
「御大将を少人数で守るとなると、他には任せられません。常陸にいる新免殿でもいれば話は別ですが」
「いかにも、大殿を家来達に任せる事など出来ましょうか!」
と、二人は言う。
一応は佐助か、その家来も物陰に潜んではいるのだが、お初に叱られないよう形ばかり連れて行くつもりだったのに。
三人・・・・・・三匹の狼男が夜な夜な市中を見回り・・・・・・徘徊?
1ヶ月もしないうちに狼男の噂のほうが大きくなりだすと、血抜き悪魔の蛮行は止まった。
ん?狼男に恐れる?小物か?
狼男にビビったのか?
兎に角、蛮行が止まった事にホッと肩をなで下ろした。
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