第601話 萌侵略は止まらない

 お初が怒ろうとも萌装飾文化は発展し侵略を続けている。


特に俺の支配下である、オーストラリア・南アメリカ大陸・ジブラルタル。


オーストラリアからは点で書かれるアボリジニアートで美少女が描かれた絵画が届き、南アメリカ大陸からは金と宝石で作られた壁に掛けるレリーフが美少女が彫られたのが届き、ジブラルタルの新しく建築される教会では天使が美少女萌化していた。


俺は嬉しいのだが、本当になんかごめんなさい。


この歴史時代線の未来はルネッサンスに続いて萌文化が広がった時代が、教科書に載るのを確信する。


そして、そこには黒坂真琴・左甚五郎・国友茂光・狩野永徳の名で萌文化四天王とか書かれてしまうのだろう。


三人とも申し訳ない。


未来の自分、教科書にどうのるのかな?


安土幕府の副将軍、数々の武器を開発しオーストラリアや南アメリカ大陸を支配し、ジブラルタルを支配し新たな秩序を作ろうとしている俺、お札になったりするのかな?


などと、期待しながら美少女萌装飾がされた刀の鍔が献上されてきたので見ていると、数奇な目でミライアとアセナが見ていた。


「私は可愛いとおもうけどね、おにいちゃん」


と、アセナは萌の理解者、


「・・・・・・私のレイピアにはそのような装飾はいりません」


と、警戒するミライア、


「いやいや、レイピアのどこにやるの?」


レイピアは鍔とは違い、手を守るように束全体が金属で覆われている。


「・・・・・・ここを透かし彫りににでも・・・・・・」


「いや、出来なくはないが俺はレイピア使わないしな、日本刀愛用だから、あっ、アセナ、小太刀持つか?」


うちでは男女関係なしに帯刀を許しているのだがアセナは帯刀をしていない。


「えっ?良いの?」


「あぁ、一応身を守るくらいの剣の帯刀ぐらいはしておいて欲しい。なんなら誰かに教えさせるか?」


「いや、それは大丈夫、踊りと剣を合わせた剣舞は一応やっていたから、ただ、お兄様に黒坂常陸守真琴様に疑いを持たれるな!って言われてるから帯剣しないだけよ」


と、アセナが言うとミライアが慌てて


「・・・・・・私だってこのレイピアで牙を向くつもりなどありません」


「わかっているさ、おそらくお江あたりが忍び込んで身辺調査しているんだろうし、毒殺でも寝込みでも俺を殺せる機会はいくらでもあったんだから」


二人は不穏な動きは見せていない。


「当たり前、お兄様には骨抜きにしてオスマントルコの援軍になるようにしてもらえって言われてるんだから、そろそろ抱きなさいよね、おにいちゃん」


まだ若いアセナには手を出していない。


ちょっとからかうのに、見えているへそに人差し指を入れ、


「もうちょっと育ったらな」


と、くつぐると、


「ひゃっ」


と、可愛い悲鳴を上げ後ずさりした。


「・・・・・・私だってイギリス帝国の為に・・・・・・」


ミライアの尻を揉み、


「もっと夜ぐらいは積極的じゃなかったら骨抜きにはならんよ」


と、言うとミライアも


「キャッ」


と、言い物陰に隠れた。


「まっ、どっちにしろ俺を骨抜きには出来ないし、勢力圏拡大の争いには手を貸さないさ」


「きっと私の虜にしてみせるんだから」


と、アセナは気合いを入れ、ミライアは物陰からジッと見つめていた。


新しい秩序をそして虐げられる民族・国になら援軍はだすつもりだが、勢力圏拡大の争いに手を貸すことは考えていない。


また、侵略だって俺は考えていない。


俺は。




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