第573話 ???

 とある国のとある城。


『なんでも、あの日本国の黒坂真琴が新たな航路を見つけたらしいぞ』


「なんなんだあの者は?」


《なんでも、織田信長の側近中の側近で、わざわざ姪を養女にして嫁がせたらしいぞ》


『悔しいの~あの大陸には巨万の富があったのに』


「あの絡繰り船には勝てない。まだまだ建造しているらしいぞ」


《そういえば、黒坂真琴は不思議な力を使ってのし上がったとも噂されるな》


「悪魔付きか?」


『悪魔その物かも知れんな』


《聞いた話だと最近、少し行方不明になっていたそうだぞ》


「あぁ、密偵が知らせてきた」


『それで船がいつもより多く出ていたのか?』


《黒坂真琴一人消えたくらいで右往左往するなら日本国の力はまだ盤石ではないのではないか?》


「ならば、黒坂真琴を抹殺すれば?」


『しかし、凄腕のサムライだとも聞くぞ』


《しかし、女が大好きだとも聞く。なんでも、女も重用しているらしいぞ》


「やつを殺すのには女か?」


『しかし、悪魔に対抗出来る女はいるのか?』


《取り敢えずは、側室に何人か献上してみるか?隙あらば寝首をかかせる》


「それだけでは弱いな?誰かおらんのか?魔女のような者は?」


『ん~~ハプスブルク家の伯爵の夫人はどうだ?』


《あやつか?あやつは、確かに困った奴だがこのような時に使い道が来ようとはな》


「ん?だれだ?」


『ほら、処女血の風呂に入るとか、アイアン・メイデンなる拷問器具を作ったとか言う女だよ』


《ハンガリー王国伯爵夫人、バートリ・エルジェーベトだ》




とある国のとある城で行われてる密会を黒坂真琴が知るすべはなかった。

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