第550話 インカ帝国・高山病?
カヤオ港を出発する。
道は石畳で整備されており迷うことなく進める。
当然のごとく、ワヌコが案内役となっている。
真田幸村家臣・佐助は先に配下を連れて、危険はないか?襲撃しようとする者はいないか?などを確認し道中の安全確保がされている。
そんな中をお初・お江・桜子・小滝・ラララと武甕槌の兵士150名を連れてクスコに向かう。
真田幸村は武甕槌で、もしもの時のために控えている。
この国でもしもは、インカ人が襲ってくると言うより、海から外敵が来ないか?のほうが危険性が高い。
その心配も少ない現状だが。
実はとある場所に行きたい。
それはカヤオ港から直接行ったほうが近い場所なのだが、やはり一度は首都に入らねばならないだろうと考え、遠回りをしている。
首都クスコは標高が3500メートルの所にある。
俺達からすると、かなりの高所。
馬を走らせてす急いで入ることも出来なくはないが、街道途中の中継地点で宿を取りながら5日かけて向かった。
途中、高山病にかかる者がいないか小滝に問診チェックと脈拍確認を全兵士を何度かしたが、どうやら大丈夫のようだ。
そこは流石に精鋭の兵士なだけあって体力があるのだろう。
「真琴様、何を心配されておられるのですか?」
「お初、今、俺達がいる場所は日本で言うと、富士の山くらいの高さになるんだよ。標高が高いと酸素って言う呼吸で人間が体内に取り入れている物があるんだけどそれが少なくなるんだよ。だから、体調を崩す者が出るかなと」
「富士の山と同じくらいの所なのですか?さんそ?呼吸とはそういう物を取り入れているのですね」
「そうだよ。酸素ってないと生物は生きられないし、あっ、物だって燃えなくなるんだよ」
呼吸が大切なのは当然の常識だが、『酸素』を取り入れているというのは知られていない時代。
「小滝、みんなに体調が優れなくなったら正直に申し出て下山するように指示して。無理して付いてくるのは許さないとね」
「はい、隊で負傷者がどれだけ迷惑か皆知っているので、それは大丈夫かと思います」
進軍しているわけではないが、負傷者は隊では足手まといになるのは皆、知っている。
疾病だって同じく。
「それと、小滝、山に強そうな者達もリストアップしといて」
「リストアップ?選別と言う事でよろしいので?」
「ああ、御免御免、そうそう、選んでおいて。もっと高所に行く予定だから」
南米大陸では実は行きたいところが本当に多い。
これは若干、嬉し困ったと言うところだろう。
社会人になったら行きたいと思っていた地、見てみたいと思っていた地が多い。
それはやはり土曜日のあの歴史が長い、クイズ番組の影響だろう。
度々取り上げられている。
今回、その中でも二カ所はどうしても、この目で見たかった。
そんな事を思いながら、首都クスコに到着した。
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