第495話 マドリード陥落

  ジブラルタル城で後方支援に徹する俺に逐一連絡は入る。


連日連夜のアームストロング砲とリボルバー式歩兵銃での砲撃。


石垣で城塞化されていたマドリードであったが、一カ月に及ぶ砲撃で呆気なく陥落した。


中にいた兵士は食糧が底をつき、戦う体力すらなかったと聞く。


そんな陥落したマドリードをイスパニア帝国の王フィリッペⅢ世は、往生際が悪く最後まで側近と逃げ回っていたそうだ。


最終的に、町中の市民の家の厠で密告により捕まる。


織田信長はその場では殺さず、ジブラルタル城まで引き回して連れてくると言う。


そしてマドリードは、フィリッペⅢ世の居場所を密告した者とその一族を残して死体しか残らなかった。


織田信長は皆殺しと言う手段で、全ヨーロッパ諸国を牽制した。


脅したと言うべきだろう。


マドリードはそのまま蒲生氏郷が占領し、マドリード城を造る事となった。


ポルトガル国王も兼務していたフィリッペⅢ世が捕まり、マドリード皆殺しの噂が届いた頃、ポルトガルは完全無条件降伏を申し出てきた。


ポルトガル・イスパニアの支配権はこちら側となった。


マドリード陥落・皆殺しの噂は瞬く間に世界に広まる。


織田信長と言う男は『大魔王』と呼ばれている噂が耳に入る。


そして、俺は『魔軍司令』と呼ばれているらしい。


ハドラーか?


あまり名誉あるあだ名ではないのだが、仕方がないだろう。


さて、織田信長が所望するのは惨たらしい処刑なはず。


あれを用意するか。


俺は鍛冶しに大きな鉄の釜を発注した。

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