第492話 イスパニア帝国対日本国

 イスパニア帝国対日本国の下準備が整うと織田信長に萌え萌えな天守最上階に呼び出された。


シュールな話しをするのはいささか不向きな場所だが、他に話しを聞かれたくない場合は一番良い場所だ。


織田信長は北東に広がる大地を見ながら、


「あとは陸上戦だ。真琴、お主は自分で向かうつもりであろうが、あとは儂が動く」


「え?任せていただけないのですか?」


「真琴は火力に頼りすぎている戦術ばかりだ。この陸上戦は艦砲射撃の援護はない。よって、陸上戦を任せるには及ばず」


「いや、別に功を焦るようなこともないので、適任者が攻めれば良いとは思いますが、誰を大将に?」


そう、別に俺は戦で活躍して領地を禄を増やしたいとかはない。


「総大将は蒲生氏郷とする」


「なるほど、ならば納得です。彼なら大丈夫でしょう」


蒲生氏郷、有能な武将だ。


反対する理由がない。


「真琴は、このままジブラルタル城で対外的政治に励んでいれば良い。この複雑なしがらみを持つ国々に対応できるのは真琴くらいであろう」


「あの、誤解しないでくださいよ。俺、ヨーロッパの歴史とかって嫌いであまり覚えていないのですから、テストの点数悪かったし」


「てすと?まぁ、それでも他の者には任せられないからの、よって、真琴はジブラルタル城城主そして、南蛮交易総取締役奉行に任じる」


「なんだか奉行やたらいっぱいなっているような気もしますが、はっきり言って戦場は慣れないので仰せのままに」


安土幕府副将軍・造幣方奉行兼安土暦奉行と言う肩書きも外されているわけではない。


そして従二位右大臣・豪州統制大将軍・インカ帝国執政・常陸守だ。


これを名刺に書いたとしたら、一面肩書きだけで埋まってしまいそうだ。


従二位右大臣・豪州統制大将軍・インカ帝国執政・安土幕府副将軍・造幣方奉行兼安土暦奉行兼南蛮交易総取締役奉行・常陸守


うん、長い。


自分で言う自信もない。


特に名乗るわけではないので問題はないだろうが、織田信長少し面白半分で俺の役職増やしていないか?などと思ってしまう。


『官位官職が好き』と、言ったのを今でも覚えているのだろうか?


お茶目なところがあるから、もしかしたらそうなのだろうな。



1603年6月20日


蒲生氏郷は3万の大軍を率いて、ジブラルタル城を出陣した。

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