第482話 ジブラルタル城・その4・腐腐腐装飾

「あの~失礼ながら申し上げます」


と、言ってきたのは常陸国立茨城城女子学校卒業生の狩野派絵師、北上真緒だった。


北上真緒は20歳と言う若さで絵師として一歩先に抜きに出ている美少女だ。


もちろん、茶々との約束は忘れていない。


常陸国立茨城城女子学校生には手を出さない。


卒業生でもそれは守っている。


見境なしにやりまくっているわけではない。


綺麗な主従の関係だ。


「ん?どうした?」


「その、美少女だけでなく、美男子を書いては駄目でしょぅか?」


「なにか、書きたい物でもあるの?」


「はい、その、衆道を描きたく」


「ぶほっ、ゲホゲホゲホゲホっ」


思わず吹き出してしまった。


「大丈夫ですか?」


腐女子も成長してしまったようだ。


額からちょっと汗が噴き出す、懐紙で吹いているとお初が、


「あら、良いですわね。確か古事記に日本武尊が熊襲健を退治した時の記述などを題材にしては、よろしいのでは?」


お初、お前はまさか隠れ腐女子だったのか?


「うん、その記述?伝記?が詳しくわからないのだけど、お初が書いて欲しいなら、そうだな~客人を控えさせる部屋くらいは任せるよ」


と、言うと北上真緒とお初はニコッと笑っていた。


「美男子の下絵必要?」


そう、俺は男性キャラはほとんど書かない。


必要に迫られたときだけ書く。


「いえ、大丈夫です。今まで練習してきましたから」


と、練習していた下絵を見せてくれた。


それは俺の美少女萌え絵から学んだのか、平成でも美男子として通用できる男子が描かれていた。


しかも、生々しい凸凹の最中の美男子・・・・・・。


うん・・・・・・・。


お初は鼻血を出しながら読んでいた。


「ほどほどに、その・・・・・・局部は描かないで、ほどほどにで、書いて良いよ」


ここで断るとお初の期待を裏切りそうになるので了承した。


萌文化確実に浸透して、そして、独自の進化を始めていた。


この部屋に通されるキリシタン?宣教師?発狂しないかね・・・・・・。


まさに今までにない城になりそう。


ジブラルタル城を建て始めたときから、不適な「ふふふ、フフフ、腐腐腐」と、笑っていたのは、お初だった。


北上真緒と打ち合わせ済みだったのか?


いつから、お初は腐り出していたのだろう。


まさか、お初がこちら側の住民になるとは思っていなかった。

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