第479話 ジブラルタル城その1
左甚五郎の到着前にジブラルタル城の縄張り、堀作りを開始する。
今回も縄張りは稜堡式と呼ばれる星形の城だ。
火器を多用する城はこの形が一番死角が少なく守りやすい。
茨城城の同等の大きさを想定して築城を開始、天守も日本式望楼型天守を想定している。
南蛮式のネズミーランドのような城ではない。
差別化を図るために天守は日本式、五重六階建ての本丸天守をあえて選ぶ。
本丸はインカ・マヤ人の協力の下精巧な石積みの上に立てる。
天守に連なる本丸御殿、その外を五芒星の水堀で囲み外側を二ノ丸とする五つの星の三角堡の名称も南の三角の大広間として朱雀御殿、西の三角の白虎御殿、北の三角の玄武御殿、東を信長が来た時の為の御成御殿として青龍御殿、南東の地中海に突き出している三角の地中海御殿だ。
さらに、その外側を五芒星の水堀で囲み三ノ丸の三角部分の廓、東廓、西廓、南廓、北廓、地中海の港となる港廓。
ほぼほぼ、茨城城のコピーのような縄張りだ。
「茨城城そっくりですね」
と、お初が言う。
「ああ、この作りが一番死角が少ないからな。南蛮の城もほぼこの形で作っているはずだぞ」
星形の城塞は元々ヨーロッパで進化した立て方だ。
それを江戸幕府末期、日本が取り入れているが、財政難などから北海道の五稜郭などは計画よりも簡素で守りが手薄、籠城に耐えうる作りではない。
だが、俺には潤沢な資金もある。
オーストラリア、南北アメリカ大陸との貿易、太平洋、大西洋、インド洋の制海権を一手に掌握しているからだ。
その潤沢な資金を活用してさらに守りを強固にするべく、その外側の陸地には真田幸村、柳生宗矩、前田慶次の邸宅であり戦争時には砦となる出城を配置する。
さらに外側を町を囲むように空堀と土塁で作る総構えとした。
総構えは後々は石垣にしたいが、現状そこまで出来る人手が足りない。
そして、守りも早急に堅牢にする必要はない。
攻め入る敵を寄せ付けない火力があるからだ。
この城の役目は日本国の権威を誇示するための城と言って良いだろう。
三ノ丸の三角部分の廓、東廓、西廓、南廓、北廓、港廓はドーム型で進める。
朱雀御殿、白虎御殿、玄武御殿、青龍御殿、は木造日本式御殿を建設、地中海御殿は石造りのインカ式を取り入れる。
装飾の下絵を次々に描いている頃、左甚五郎は大工集団は到着した。
「ふふふ、腐腐腐」
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