第475話 神聖ローマ帝国ルドルフⅡ世の使者・ルーラント・サーフェリーと萌
俺はヨーロッパの血縁関係関係に疎い。
単純に興味も薄く、名前が覚えにくいからだ。
そして、皇帝やら国王やら国々兼務する国王とか複雑で苦手な分野だ。
そんな俺でも、ヨーロッパの諸国がハプスブルク家の血縁くらいは知っている。
そして、敵としているイスパニア国王フィリッペも、そのハプスブルク家の血縁者。
ハプスブルク家の長たる人物は神聖ローマ帝国ルドルフⅡ世だ。
俺は粛々とイスパニア帝国を攻め入る準備をしている中、サン・ヴィセンテ岬砦に小さな帆船で30人ほどの使者が来た。
ガ●タンク・ガン●ャノン砲台に見とれてしまい動かない人物がいると、兵士から連絡が来たのでそちらに向かうと、若い青年が涙を流しながら固まっている人物が一人いた。
オスマントルコ帝国との貿易も少しずつ始まっているので、ラララが他国の語学をよく学び、通訳になってくれていた。
↓オランダ語
「神聖ローマ帝国の使者と聞きましたが、アナタですか?」
と、聞いてくれると、
↓オランダ語
「は、はい、失礼いたしました。このような素晴らしい物を見れるとは思っておりませんでした。申し遅れました。神聖ローマ帝国ルドルフⅡ世の使者として来たルーラント・サーフェリーと申します。このような彫刻を作られる方は、さぞかし素晴らしい才能の持ち主、レオナルド・ダ・ビンチの再来、どなたなのですか?」
と、ラララが訳して俺のほうを見た。
レオナルド・ダ・ビンチの再来・・・・・・うん、なんか、ごめんなさい。
ラララに通訳をして貰う。
「日本国右大臣黒坂常陸守真琴である。この石像も俺がデザインして作らせた物である」
↓オランダ語
「素晴らしい。大悪魔のごとき戦闘をすると聞く、日本の右大臣様がこのような素晴らしい物まで作るとは」
と、ラララが訳すと、後ろで聞いていたお初は頭を抱えていた。
外の海風の吹く場での立ち話をやめ、応接室に通す。
今日は、か●なぎの巫女服を着たナ●様と、シスター服を着たざ●げちゃんを書いた掛け軸を飾っている。
掛け軸一枚くらいならお初も得には怒らなくなっている。
最大の「理由は交換できるから」と単純な理由の為だ。
その掛け軸に歩み寄るルーラント・サーフェリーは、
↓オランダ語
「お~~ミケランジェロの再来か」
と、またしても涙していた。
ミケランジェロの再来・・・・・・うん、なんか、ごめんなさい。
掛け軸に見とれてしまっていてなかなか話しが進む気配ではない。
この掛け軸も俺が書いた物なので元手はない。
また同じ物も書けるので、
「お初、掛け軸をこの方に差し上げて」
と言うと、お初は壁から掛け軸を外して、ルーラント・サーフェリーに渡すと大変喜ぶ。
↓オランダ語
「おぉぉぉぉぉぉお、貰ってよろしいのですか?」
と言うと、俺より先にお初がニコニコしながら、
「えぇ、こんなのいっぱいありますから」
と、答えていた。
お初、お前は平成で嫁になっていたら旦那の趣味を理解せず勝手に断捨離とか言う悪魔の所業をするタイプだな!と、内心思った。
その一本の掛け軸が今後、世界を変えてしまう事は後になってから知ることになった。
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