第474話 イギリスの返答

 1601年8月


サン・ヴィセンテ岬砦にイギリス海軍提督フランシス・ドレークが戻ってきた。


木造ガレオン船が砦の前で空砲を撃ち敵対の意思がないことを示し、入港した。


俺の艦隊はすでに後込め式アームストロング砲なので、空砲には意味がないが先込め式の大砲を使うヨーロッパ諸国の船は、空砲で大砲が空であることをアピールする。


イギリス海軍提督フランシス・ドレークはサン・ヴィセンテ岬砦のガ●タンク・ガン●ャノン砲台に見とれていた。


「ファンタステック」


と大声で叫んでいる。


度肝を抜かせることに成功したようだ。


↓イギリス語

「ははは、驚いたか?飾りではないぞ。しっかりと砲台は大砲の役目をする」


↓イギリス語

「こんな砲台、見たことがありません。日本国の宰相は異質なデザインの物を作るとは宣教師や商船の物から噂にはなっていましたが」


ふふふふふ。平成二次元物が世界で話題になっているという事に俺は背中がゾクゾクとした。


嬉しい。ふふふふふ。


↓イギリス語

「本日は我が主、エリザベス女王よりの御言葉を伝えたく来ました」


と、言うので砦内の接客室に通した。


砦内の接客室は15畳の大理石の床の洋風な部屋だ。


ソファーを置いている。


飾りは、ほとんどないに等しい。


対ポルトガル・イスパニア戦に備えた砦の為無駄に装飾はしていない。


一時的な基地として考えているからだ。


そんな部屋でも飾りがないと物寂しいので、一枚の俺直筆、●坂桐乃と五更●璃の萌掛け軸だけ飾ってある。


ちょっと百合な●坂桐乃と五更●璃の萌掛け軸。


フランシス・ドレークがガン見して固まっていたのは笑える。


しばらくして、ソファーに座ると木の箱をテーブルに置いた。


↓イギリス語

「まずは女王よりの贈り物です。お受け取りください」


木の箱を開けると柄が金の装飾がなされた片手剣サーベルだった。


↓イギリス語

「ありがたくもらい受けます。で、返答は?」


↓イギリス語

「イギリスには、もはや抵抗する海軍船がありません。そして、今から新しく作ったとして、日本国に対抗できる戦艦造船も出来ません。よって、敗北を認め不可侵条約の提案を受け入れさせていただきます」


↓イギリス語

「賢明な判断かと思います。イギリスの港をすべて灰にするくらいの軍事力はありますから」


と、俺が言うとフランシス・ドレークは悔しいのか苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。


しかし、先の敗北でそれが非現実的な脅しでないことを知っている為、怒りを表すようなことはなかった。


↓イギリス語

「我が国は、日本国とよしみを通じることになるので、ハプスブルク家などから阻害される事になり貿易が出来なくなります。その為、新大陸との貿易をしたいのですが、お許しいただけませんか?」


俺は中世ヨーロッパの血縁関係などはさっぱりわからない。


ハプスブルク?メディチ?ホーエンツォレルン?


日本の戦国大名のように血縁で結ばれているヨーロッパ王家。


↓イギリス語

「貴国の血縁だのとかには一切興味はありませんが、国が衰退し新たな混乱を招くのはふさわしくはないので、アメリカ大陸の貿易は正当な対価を払うことで許可します。と言うか、仲介はします。ただし、不当なやりとりや、奴隷貿易などは厳しく取り締まりさせていただきます。もし、従わねばイギリスも敵国。灰にし日本国が征服します」


その言葉にさらに眉間にしわを寄せているフランシス・ドレークだったが、


↓イギリス語

「承諾します」


そう答えた。


全権を任されていたフランシス・ドレークと不可侵条約の締結書を製作。


後に、イギリス女王エリザベスⅠ世の名も書かれ物が届けられた。


俺は、サーベルの返礼に萌掛け軸と萌陶器を送った。

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