第476話 神聖ローマ帝国ルドルフⅡ世の使者
掛け軸を渡したことで落ち着いたルーラント・サーフェリーは話しを始めた。
↓オランダ語
「我が主、神聖ローマ帝国ルドルフⅡ世からの親書をお渡しいたします」
と立派な装飾がされた巻物を渡してきたので、ラララに翻訳して貰う。
「イスパニア国王フィリッペⅢ世の首は諦めて貰えないだろうか、その代わりに、ポルトガルの領土を半分差し上げる」
と、書かれていた。
「馬鹿なことを。領土はいらぬ。欲しければ自分で取る。それだけの軍備は十二分にある」
と言うと、それをラララがオランダ語にして通訳していた。
↓オランダ語
「やはり、そう言われますか。我が主や他の国々の王もフィリッペⅢ世とは同血族、どうしてもフィリッペⅢ世の首を狙うというならヨーロッパすべての国々を敵にするという事。それはわかっておいでですか?」
「もはや、交渉の余地はなし。真田幸村、この方々をお送りすると同時に、ジブラルタルとタンジールの艦砲射撃を命じる。港を占領し地中海からヨーロッパの国々は大西洋にでられなくするように命じる」
それを逐一通訳するラララの言葉にルーラント・サーフェリーは真っ青な表情に変わっていた。
俺の艦隊の艦砲射撃上陸作戦の噂は流石に知っている様子。
↓オランダ語
「お待ちください。どうかそれは、お待ちください」
「残念だが、ジブラルタル海峡封鎖は元々決めていたこと、ついでじゃ、せっかくなので陥落する砦を見ながら帰られよ。イスパニア帝国国王に加担するなら次は貴国の港ぞ」
と、俺は脅した。
少々織田信長っぽくなってきているかな俺。
俺は退室すると、部屋からは
↓オランダ語
「お待ちください。どうか、お考え直しを~~~~~」
との叫びが聞こえていた。
二番艦・不動明王・船長・柳生宗矩と新型南蛮型鉄甲船・8隻
蒲生氏郷艦隊・新型南蛮型鉄甲船・5隻・高速輸送連絡船・15隻をサン・ヴィセンテ岬砦の守りに残し、真田幸村は蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦・艦隊旗艦武甕槌に乗り、三番艦・摩利支天・船長・前田慶次、新型南蛮型鉄甲船・7隻でジブラルタル港を艦砲射撃上陸戦を開始。
対岸のタンジール港は四番艦・毘沙門天・船長・真壁氏幹が指揮を執り新型南蛮型鉄甲船・10隻で同じく艦砲射撃上陸戦を開始。
砦化されていたジブラルタル港とタンジール港だったが、圧倒的火力には無意味。
あっけなく陥落した。
1601年11月8日
ジブラルタル海峡は完全に封鎖した。
フィリッペⅢ世の首と大航海時代に地中海から出られない痛みの重み、どちらを選ぶかの選択を神聖ローマ帝国、そして、バチカンに任せた。
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