第465話 警告

 ルイス・ソテロを連れマイアミ湾に出る。


流石に蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦には乗船させられないので、南蛮型鉄甲船型戦艦Champion of the sea HITACHI号に乗船させる。


蒸気機関は機密事項だ。


南蛮型鉄甲船型戦艦Champion of the sea HITACHI号でも明らかに進んだ技術の鉄鋼船であり目を見開いてルイス・ソテロ他随行している五人のバチカンの使者は驚いている。


Champion of the sea HITACHI号がほどよく沖に出たところで蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦四隻


旗艦・武甕槌・二番艦・不動明王・・三番艦・摩利支天・四番艦・毘沙門天が後ろから帆を張らずに追い越していく演出をした。


↓イタリア語

「おおおおお、なぜにあの船は進んでいる」


と、ルイス・ソテロは驚いている。


外輪が海水をしっかりと掴み、煙突からはモクモクと黒い煙を吐き出している。


「私が作らせた最新鋭戦艦、風や波など一切関係なく進みます。今は五隻をこの大西洋に配備してますが、本国ではまだまだ造船が続いてます。日本国はあのような船を作り続ける事が出来ます」


と、説明して俺は太刀を抜き振り下ろして合図する。


すると蒸気機関外輪式推進装置付機帆船型鉄甲船戦艦四隻は砲塔を旋回させ、なにもない陸地に艦砲射撃を撃った。


さらに、もう一度太刀をたかだかに掲げ振り下ろすと砲塔はこちらに向けてChampion of the sea HITACHI号の25メートルほど離れたところを狙い撃ってくる。


慌てふためくルイス・ソテロ達。


自国、しかも大将たる俺が乗る船に向けて撃つのだから当然驚くだろう。


しかし、Champion of the sea HITACHI号にはすれすれで着弾せず、水面に砲弾が当たり水柱を勢いよく上げている。


俺は俺の家臣が作り出したアームストロング砲と乗船する家臣達の砲撃術を信頼している。


だから、わざと撃たせた。


「見ての通り、あの船には死角なしに大砲を正確に撃つことが出来ます。ヨーロッパの海岸線・港、そして、バチカンを狙うこともたやすきこと」


通訳の弥助がルイス・ソテロ達にそれを伝えると、ルイス・ソテロ達は顔を真っ青にしていた。


↓イタリア語

「・・・・・・わかりました。ローマ教皇にお伝えいたします」


そう言い残してルイス・ソテロ達は自船に乗りマイアミ城をあとにした。


「真琴様は昔っからこのような演出好きですよね。大津城入場の時の空鉄砲が懐かしいです」


と、お初は笑っていた。


「俺は多少演出過剰過ぎるのかもしれないな」


「いえ、けなしているわけではないのです。これで、相手が恐れるなら戦は起きず無駄な血は流れませんから。ただ、開発者が真琴様と言ってしまったのは良くなかったと思います」


「そうか?」


「はい、真の敵が織田信長ではなく黒坂真琴だと公表してしまったような物ですから」


お初は何かを心配しているようだった。



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