第461話 織田信長の側室

 「ん、来たか?思っていたより早く来たな」


と、織田信長は耳かきを止めさせ座り直した。


「ええ、蒸気機関船が完成いたしましたから、最強の艦隊を作りリベンジに来ました」


「リベンジ?」


「やられたらやり返す、倍返しだ」


と、言うと織田信長はおそらく未来の言い回しなのだろうと特に突っ込んでも来なかった。


「そうか、風がなくても走る船が完成したか?」


「はい、一隻、信長様用に用意してあります」


「よし、あとで見に行こう」


と、60を過ぎても好奇心のある織田信長。


「それより、そのネイティブアメリカン?インディアン?の女性は?」


黒髪が長く肌の色はこんがりと小麦色、目鼻立ちがはっきりとしている美人の女性が気になる。


気になるので聞くと後ろでお初が強烈な視線を俺にぶつけてきているのがわかるが気が付かないふりをする。


お初の視線に負けたら黒ギャル大好きの俺の趣味嗜好を自分自身で否定してしまう気がする。


「ん、部族長の娘でキャルッパと言う。側室に迎えた」


「羨ましい~~~~~~~」


ゴツン


後ろからお初に鉄の扇子で頭を叩かれた。


叩かれたところを押さえてうずくまっていると、織田信長は追い打ちをかけるように、


「猿も、側室にしたぞ。しかも懐妊しておる。なんでも真琴がくれた精力剤で、ビンビンだ。と、喜んでいたぞ」


羽柴秀吉~~~お前もか・・・・・・。


無精子症だと思っていたが、栄養状態改善で多少なり精子が作られるようになったのかな?


伝承だと正室の北政所の結婚当初に子供が出来ていたって説もあったくらいだから完全な無精子症より精子が少ないタイプなのかな?


「信長様~、俺が黒肌ギャル好きなの知っているはずなのになんで俺にはいないんですか~」


そう、俺のリュックの中身にある美少女アクリルキーホルダーを見ている織田信長は俺の女性の趣味を知っている。


「お主は、女子を買った売った嫌いであろう、自分で恋仲になって好きに捕まえろ」


うん、正論を言われてしまった。


監視の目がある今はそれが難しいから織田信長から「この者と縁を結べ」と、言われてインディアンの娘を側室にするイベント発生がしないと新たな側室を見つけるのは困難なんだよな。


お初の目を盗んで・・・・・・。


お初より、忍びの術を学んでしまったお江がいつも見ているし、厄介だ。


隙を見つけるの難しそう。


「そんなことより船を見せろ」


と、織田信長は立ち上がった。

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