第458話 喜望峰海戦

 喜望峰城で休息をしていると、突如、


「カーンカーンカーンカーンカーンカーンカーンカーン」


と、鐘が鳴り響くと、法螺貝が鳴り響く。


「ボゥ~オ~ボゥ~オ~ボゥ~オ~」


「敵戦艦来襲、敵戦艦来襲」


物見櫓がからの声、


「乗船命令、臨戦態勢に入れ、アームストロング砲撃てるようにすぐに準備、急げ」


俺は真田幸村達に指示を出す。


大西洋の制海権はまだ、日本の物ではなかったのか?


20分で俺の艦隊は準備が整う。


先に福島正則の帆船式南蛮型鉄甲船が三隻出撃している。


敵戦艦も遠目で見るがやはり、ガレオン船に鉄が貼られてるように見える。


こっちが鉄甲船なら向こうも鉄甲船を造り上げていた。


敵はこちらの真似をして乗船技術を進めたのだろう。


いや、高山右近が教えている可能性もあるか。


それが五隻進んでくる。


しかし、船体の脇にしか大砲を積んでいない相手は撃ってこない。


東住麻帆が、


「船首主砲射程距離入りました」


と、知らせてきた。


こちらは360度全てに対応出来る。


「よし、狙って撃て、無駄玉は撃つな、相手は横向にならなければ撃てないからな」


風など関係ない俺の艦隊は福島正則艦隊を抜き去り敵に近づくと相手は旋回を始めた。


なるほど、俺の以前の戦術の真似か。


「撃て」


相手が旋回している所に向かって俺の艦隊は容赦ない大口径アームストロング砲が火を噴く。


ドーンドーンドーン


うちのアームストロング砲を操る紅常陸隊の腕は完璧だった。


旋回中の相手の進行先を的確に狙い、敵戦艦に命中する。


敵戦艦は大口径アームストロング砲命中で大爆発を起こしていた。


敵の鉄の装甲など物ともしない。


沈みゆく敵戦艦。


「これより、秘密保持の為に生き残った敵兵士殲滅をする。リボルバー式歩兵銃を構え、苦しまぬよう頭を狙って撃て」


海に浮き一生懸命泳ぐ敵兵士達を殲滅していく。


大戦の前に蒸気機関船を秘密にしておきたい。


その為に殲滅をする。


約二時間後には海は静かに戻っていた。


喜望峰城に戻り福島正則から情報を聞き出すと、アフリカ大陸の西側に南蛮連合軍は港城を築き上げ、大西洋の制海権を奪われないように抵抗しているとの事。


時に偵察がてらに敵戦艦が来るが軽い小競り合いぐらいで逃げていくとの事だった。


地中海の織田信長艦隊本体の情勢はいまいちわからないと謝られた。


仕方がない。


さて、地中海に向かって進むか、アフリカ大陸大西洋沿岸を北上するか悩みどころだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る