第445話 新戦艦・武甕槌練習航海~樺太~
新戦艦・武甕槌の常陸沖での練習航海が繰り返された。
今までとは違う蒸気機関外輪式推進装置の耐久性テストなども含めてだ。
しかし、外輪の基本設計はうちの突飛抜けた左甚五郎率いる大工集団が作っている。
それがちょっとやそっとで壊れるわけがなく、遠出の試験航海をする事になる。
ならば、行くのは樺太だ。
離れて暮らす側室・息子が合わせ4人いる。
北条氏規の娘の鶴美は一度、常陸国で暮らしたが北条氏規死去に伴い須久那丸(すくなまる)と樺太へ帰った。
そして、須久那丸(すくなまる)が北条家の跡を継いだ。
さらにもう一人の側室、樺太・アイヌ民の族長の娘トゥルック大陸の金毛人とのハーフ・白肌で金髪碧眼、次男・男利王(おりおん)がいる。
あまりかまってやれないが間違いない俺の子、気にならないはずがない。
樺太の開発そのものも気になる。
その為、寒い季節だろうと今、空いている時間を利用して行きたい。
新戦艦・武甕槌の試験航海も出来て一石二鳥だ。
お初とお江も当たり前に乗船仕度をしていた。
1599年12月20日昼
鹿島港を出航する。
蒸気機関外輪式推進装置の耐久性テストが主な目的な為、帆は張らずモクモクと黒い煙を上げ外輪がバシャバシャと音を立てて進んでいく。
北風を物ともせず進む新戦艦・武甕槌、蒸気機関を使っているため船内の暖房に困らず寒がりの俺には有り難い。
ドーム型艦橋の窓は三重貼りのガラスを使っている。
戦闘時は鉄のガードを降ろす仕組みだ。
その為、防寒対策万全。
防寒対策万全なのは後々を考えている。
この船でなくとも次に作る船に役に立つように今回はいろいろな意味でテストなのだ。
ゆっくりゆっくりゆっくりと北上をした。
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