第441話 最上義康

 俺の小姓の最上義康は、オーストラリア大陸でアボリジニの娘に恋をし結婚をした。


俺は黒ギャルが大好きなので正直羨ましい。


オーストラリア大陸では側室が増えるイベントがなかったのが悔やまれる。


まぁ、まだ豪州統制大将軍なので行くことはあるだろう。


アボリジニの娘を側室にする野望は捨てない。


いや、この先アフリカ大陸系の娘が側室になるイベントが発生するかもしれないな。


お初の目を盗んで恋仲になるのはなかなか難しいところだが。


最上義康は羽州探題・最上義光の息子で最上家の跡取りだ。


修行名目でうちで働いていたが、父親から家督相続に備えたいと手紙が来たので相談しに来た。


「僕、このままここで働きたいのですが父上様が」


少し残念そうに肩を落として言ってきた。


「家督を継いで羽州を発展させるべきだと俺は思うぞ。俺について来ていろいろ学んだのでは?」


このまま雇い続けると最上家で跡目争いが発生しそうな気がするので説得する。


「はい、農業、建築、船造りいろいろ学ぶ事は大きかったです」


「なら、それを羽州の為に役立ててはくれぬか?羽州は海で隔ててはいるが、大陸に近い。発展し守りが強固でなくてはならない、守りが強固なら大陸の国も敵対しようなどと思わないではないか?」


「御大将は大陸の国が攻めてくると、お考え何ですか?」


「時と場合によってはあり得ると思う。可能性の話だ。だからこそ沿岸警備船造りも始めたわけだ」


「わかりました。僕、山形に帰ります。帰って酒田に常陸国のような堅牢な海城を築きます」


「くれぐれも幕府に届けはだしてくれよ。最上は織田家の家臣であって俺の家臣ではないのだからな」


「はっ、心得ました。気持ちはいつまでも黒坂常陸守様の家臣です。是非落ち着きましたら羽州に遊びに来てください」


「山形、山寺や出羽三山に行きたいし銀山温泉にも浸かりたいな」


「いつでも案内いたします」


最上義康はそう言って、山形に帰って行った。


史実では失脚し暗殺されたはずだが、この世界では俺とのパイプ役となる最上義康を暗殺するような愚策はないだろうと思う。


自画自賛だが、この世界の日本国では俺はそう言えるだけの地位にいる。


その俺が可愛がっていた小姓であった最上義康をを暗殺するようなことはないだろう。


念のために最上義光には、「良い働きをしてくれました。今後は義康に任されるなら、私は後ろ盾となり何かあった際は協力いたします」と、手紙を書いた。


義康暗殺防止の釘を打っておく。


最上家は史実の江戸時代では跡目争いにより山形藩は取り潰しとなり、大名から旗本まで没落してしまっている。


そのような事が起きないように事前に「最上義康」なら後ろ盾になると宣言しておけば粗悪に扱えないはずで家中もそれに従うはずだと考えた。


日本国内で跡目争いなどでごたごたしている場合ではないのだ。


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