第440話 亀甲船型警備船

 もう一隻の船の設計絵図を書く。


その船は平べったく屋根には鉄板か貼られ針鼠のようにトゲトゲがあり、櫂で進む小型船。


この時代、俺は隣国攻めをしていない。


隣国は付かず離れずが理想的だと思うから、唐入りは否定してきたが世界情勢は変わっている。


いつ、唐が南蛮と手を結ぶかわからない。


なら、日本近海な警備船が必要だ。


それを亀甲船で行う。


亀甲船は史実歴史時代線で対豊臣秀吉軍に作られた朝鮮の船で、日本から補給路をたつのに大いに活躍した。


設計絵図を一度幕府に提出し、幕府から海を領地に持つ大名に造るように指示させれば良い。


各大名に作らせればそれなりの数を沿岸警備に就かせる事が出来る。


幕府を通す事で俺は幕府を下に見ていないのを表すのだが、その絵図を送って幕府の許可を申し出ると、信忠から


「船の事はお任せします。息子嫁の父になる常陸殿が今更裏切るとは思っていません」


と、返書が来た。


俺が海外に行っている間に娘たちが織田信長の孫、三法師改め織田秀信と見合いをし、長女彩華が嫁になることが決まった。


ただ、まだ若いため彩華は花嫁修行の名目で茨城城では暮らしているが織田家の跡取りの正室として決まっているだけでも、俺の謀反の気がないと示すのには十分であった。


亀甲船は未来知識は活用していないので船大工さえいればすぐに作れるる構造だ。


亀甲型警備船を沿岸警備船と、戦艦にも避難船として二隻乗せるようにする。


避難船は密閉式で櫂を出す穴は密閉式扉にする。


ゴムも南米から輸入できるのでそれには問題ない。


逃げる行動も今回は重視だ。


同じあやまちを二度としないようにする事を考え新しい船の建造に集中した。


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