第414話 婚姻
「身も心も ささげ 末永い 仲に ナリマショウと 言ったではないですか」
そう言っているのはグアヤキル城の中の俺の寝室に裸で入ってきたファナ・ピルコワコだった。
戦時中なため、連れてきた側室達とは夜伽は遠慮して貰い夜はちゃんと休む日々を過ごしていた。
少しムラムラは溜まってはいるが、裸の女性が目の前に現れてもいきなり抱くほど理性は失ってはいない。
「え?」
窓から差し込む月明かりが映し出すファナ・ピルコワコの裸体は、引き締まりちょっとマッチョなのだが、褐色の肌が月明かりでツヤツヤと光輝きとても美しい。
オイルか保湿クリーム的なの塗っているのかな?
「お初さまには 許し もらイマシタ ピラコチャの化姿の ヒタチさまの子が出来れば インカの希望に ナリマショウ どうか 子種を」
「あの、俺側室いっぱいだし、日本に帰ったら戻ってこないかもしれないけど、それでも良いの?俺は据えられた膳は遠慮なく食べると言うのか、その抱いちゃうけど」
俺は食欲の次に性欲だが自分に正直だ。
押さえ込んだりしない。
理性と欲望の間。
他の側室と違うタイプのファナ・ピルコワコを今すぐ抱きたい欲望で頭はいっぱいだが言わねばならないことは言う。
「ハイ わかってマス それでも ボク ヒタチさまと結ばれたい」
俺はベッドの布団をあけファナ・ピルコワコに入るように促した。
ファナ・ピルコワコはパッと見は美男子に見える容姿でカッコイいのだがベッドの中では美少女だった。
次の日、神の化姿と崇められてる俺と、皇帝ファナ・ピルコワコの婚姻が発表された。
インカ人はそれを歓迎して祝ってくれた。
お初に聞くと、
「国の復興に神の化姿の真琴様の権威が欲しいって言われたらね。それに英雄である真琴様を愛して恋しくてしょうがないって言われたら私も気持ちわかるもん許すしかないでしょ」
と、答えが返ってきた。
なんだかんだ言って好きでいてくれてるお初、
「お初、好きだからな」
「わかっているわよ、恥ずかしいからもう良いから」
と、顔を真っ赤にしていた。
ツンデレ可愛い。
ファナ・ピルコワコは側室になった。
あれ?出来た子って次期皇帝?ん?
今は考えないでおこう。
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