第412話 グアヤキル城建築
俺がグアヤキルを占領したころ、アカプルコを森蘭丸が占領し落ち着いたとの連絡船が来た。
指示を頼むと来たので、日本国からの輸送船が順調になるまでは砦造りを森蘭丸に命じるのと天然痘予防接種を伝える。
広大なアメリカ大陸をむやみに動くのは得策ではなく、拠点作りは大切だ。
圧倒的火力を持っていても大西洋を制しているイスパニア帝国がどんどん戦力を投入してくれば不利になるからだ。
しばらくは俺はグアヤキルでの拠点作り専念する。
真田幸村と伊達政宗が中心となり、どんどんと守りを固めている。
星形の陵堡式縄張りと真田流築城術、そして失われかけていたインカ帝国の石加工技術が合わさる。
イスパニア帝国の統治が続けば失われていたであろう最高峰石加工技術はイスパニア帝国憎しみの心で働くインカ人を活気づけていた。
日本にはないレベルの紙一枚入らない精巧な技術で積まれていく石垣。
俺の陵堡式縄張り、幸村の真田流築城、インカ帝国の石加工技術が合わさっていく。
完成すれば間違いない最強の城塞都市になる事が予見できた。
その作業とインカ帝国復権の為の執務の日々になってある日、ファナ・ピルコワコがお茶を入れてくれた。
それを見たお初は、
「真琴様になんて物を飲ます気ですか?闇よりもなお黒き泥水のような物を」
と、言っているので茶碗を覗いた。
「あっ!ココアだ、それココアだよね?」
「ハイ 泥水 ナンかではありません 疲れを癒やしていただくのに 煎れたのに」
と、拗ねているファナ・ピルコワコ
「お初、それはカカオ豆から抽出するお茶みたいな物だから大丈夫だよ。飲めるとは思ってもいなかった貰うよ」
ファナ・ピルコワコが煎れてくれたココアは慣れないであろうことを想定してか薄目のココアだ。
どぎついココアなら飲めなかっただろう。
「あ~ココア、良い香り。昔は砂糖ミルク入りの缶ばかり飲んでたけどブラックも美味いな、お初も飲んでみなよ」
と、茶碗を渡すとお初は恐る恐る口に少し含み
「うわ、苦い。・・・・・・あ~確かに鼻に抜ける香りは良いかも」
「カカオ豆はね、抗酸化作用があって老化防止に良いとか、カフェインで目が覚めるとか、体に良いんだよ。飲みにくいなら牛乳や豆乳と混ぜれば美味しいし、チョコレートって言うお菓子にもなるんだよ」
と、説明すると、お初はファナ・ピルコワコに
「すみませんでした。知識不足で」
と、謝る。
「イイエ 知らないモノ 恐れる 当然 しかし、ナンでヒタチさまは知っていますか?」
と、ファナ・ピルコワコは首を傾げた。
「あ~そう言う真琴様の知識については絶対に詮索してはいけない事になってるからね」
と、お初が止めてくれた。
「やはり神、ピラコチャ?」
「うん、それは違うけど俺の素性詮索は遠慮してね」
「ハイ ヒタチさまの言うことなら 守ります 一生を捧げるお方」
「ん?」
お初が頭を抱え悩んでいる様子に見えた。
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