第410話 天然痘ワクチン?
グアヤキルを城塞都市にするために、伊達政宗と真田幸村に築城を命じる。
取り敢えず、空堀、水堀、土塁、木の柵で拵えるためインカ人を募った。
すると、ある問題がすぐにわかった。
インカ人の間で天然痘・疱瘡が大流行している事だ。
「常陸様、私は疱瘡にかかったことがあるので大丈夫ですが、常陸様は?」
と、疱瘡で右目を失っている伊達政宗が聞いてきた。
「ない、ヤバいな」
語彙力崩壊しながら天然痘ウイルスに恐怖する。
インカ帝国の滅亡はイスパニア帝国の軍事的攻撃と、イスパニア人が持ち込んだ天然痘ウイルス・インフルエンザウイルスが猛威を振るうのが原因なのだ。
「取り敢えず、プナ島砦に移ってください」
と、伊達政宗に勧められ一旦プナ島砦に戻る。
「くそ、種痘があれば良いのだが」
「御主人様、種痘とはなんで御座いますか?」
と、桜子。
「あ~天然痘ってのは目に見えないウイルスと言う小さな小さな物が人から人に移る病気なのだが、それに似た牛の病の牛痘の膿みを人間にわざと皮膚に感染させるんだよ。すると、免疫が出来て不思議だと思うが天然痘には感染しなくなる。それを種痘と呼ぶ」
もちろん国民的クイズ番組・歴史ふしぎ発見で得た知識だ。
「あ~乳に病気を持った牛ならうちの食料に積んでる牛なってますよ」
「え?いるの?」
「はい、医学知識を学んだ小滝も症状として水疱、膿疱を見て牛痘だねって、だから乳搾りやめて食べる予定でしたよ」
「わ~ちょっと待った、すぐさまその牛を保護して、鍛治か金物細工がが出来る家臣呼んで」
あと少しで食べられる所だった牛を保護し、金物細工が得意な家臣にY字型の針のように先の鋭いホークを作って貰う。
牛の乳を確認すると確かに膿んでいた。
「よし、この膿みを俺に」
「行けません、そう言う事は大将たるものがやってはいけません。実験は私がなってあげるんだからね。一週間なにもなかったらやりなさいよ」
と、お初が自ら名乗り出る。
お初の言うことも一理ある。
お初を実験台にと考えたら佐助が
「お方様にそのようなこと、私がまず」
と、名乗り出る。
佐助を実験台にする。
一週間後、牛痘を植え付けた肩には小さな跡が残った物の、佐助の無事が確認出来、すぐさま牛痘を使った種痘を広めた。
うちの兵士だけでなく、インカ人も。
ピラコチャと言う神の名を借りた事はこのようなときに威力を発揮した。
↓インカ語
「ピラコチャ様が病のために知恵を授けてくださった」
と、話題になった。
種痘ワクチン法は一気に広まり、苦しめられていたインカ人を助けることが出来た。
後の世に、天然痘撲滅の父として俺の名が歴史に刻まれるなど俺は知りもしない。
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