第409話 新インカ帝国建国宣言
1597年1月10日
グアヤキルには噂を聞きつけて各地に散らばりなりを潜めていたインカ人約1万人が集まり群衆となっていた。
↓インカ語
「我は海を挟んだ地の右大臣豪州統制大将軍平朝臣黒坂常陸守真琴である。イスパニア帝国に虐げられし者達よ。我はインカ帝国前皇帝トゥパック・アマルの娘、ファナ・ピルコワコと同盟を結び反イスパニアの戦いをする」
インカ人の群衆の前に立ち、ファナ・ピルコワコと共に並び俺は宣言をする。
ファナ・ピルコワコが俺をピラコチャと勘違いしたときのように、白銀の白髪の鹿島大明神愛闇幡型甲冑を着用して。
↓インカ語
「皆の者、今まで良くぞ耐えてきた。しかし、新たなる時代へと導いて下さる本物のピラコチャと私は幸運にも出会えた。先のプナ島の戦いは知っての通り常陸様のお力があれば、イスパニアを我々の土地より追い出す事が出来る。西の海より表し白銀のピラコチャの毛恣意が我々に力を貸してくれる。どうか、皆、我に力を貸してくれ。再びインカの人々が豊かに暮らせる国を作るために力を貸してくれ」
と、ファナ・ピルコワコが言うと集まった群衆が
↓インカ語
「皇帝ファナ・ピルコワコ、皇帝ファナ・ピルコワコ、皇帝ファナ・ピルコワコ」
と、掛け声が叫ばれ始める。
もちろん、仕込みはして誘導している。
うちの兵士の色黒な者を紛れ込ませ、叫ばせている。
サクラは必要な策だ。
滅亡したはずの国の子孫をまた頭に据えるのだから多少の無理、ズルはしなければそう易々とファナ・ピルコワコが皇帝と認められるとは思っていない。
↓インカ語
「ピラコチャとして、ファナ・ピルコワコを皇帝と任命し、新インカ帝国建国を宣言する」
ピラコチャを名乗るほうが都合がよいと判断する。
神の名を借りるのは心苦しいが、疲弊し滅亡を待つのみのインカ人に希望を与えるためには伝承を利用するのが良いと考えた。
↓インカ語
「ピラコチャ、ピラコチャ、ピラコチャ、ピラコチャ、ピラコチャ」
ん~大丈夫かな?
兎に角、今はインカ帝国の再建を考えよう。
滅亡するはずだった国を俺は助ける。
ファナ・ピルコワコは俺の前に跪き両手を取り強く握り涙を流し感謝していた。
美男子に見えたファナ・ピルコワコだが泣き顔は美少女だった。
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