第389話 新甲冑・鹿島大明神愛闇幡型甲冑

 広間には茶々や側室達、そして、茨城城在住の武丸達俺の子供達が勢揃いしていた。

その中央の一番上座に鎮座していた甲冑は、基本構造は和式愛闇幡型甲冑(わしきあいあんまんがたかっちゅう)ではあるが、白と言うのか白銀の甲冑、兜が変わり兜と呼んで良いだろう。


武田信玄の諏訪法性兜(すわのほうしょうかぶと)や、石田三成の乱髪天衝脇立兜(らんぱつてんつきわきだてかぶと)のように兜にはヤクの白い毛がフサフサとあしらわれ、前立てには武甕雷男神を具現化したような金の人面で、目にはオーストラリアから仕入れているオパールが使われている。


目に使われたオパールは青黒く光り輝き全ての物を睨みつけているようだ。


「真琴様の甲冑は海風で痛みだしていますからね、そろそろ作る頃かと思いまして」


と、茶々。


「あぁ、作るつもりではいたが、なかなか良い甲冑ではないか?かっこいいな」


と、上から下までしっかり見ていると、


「真琴様が注文なさると、次あたりは頭に美少女を乗せて戦いそうだったので、先回りして作らせていただきました。厚く信仰していらっしゃいます、鹿島神宮の神様、武甕雷男神を前立てにいたし、御祓いもしていただきました」


と、お初。


「私はマコが頭に萌な美少女乗せるの期待してたんだけどな」


と、お江が言うと皆が笑い出す。


「ははははは、予想されてちょっと悔しいが良い甲冑だ、使わせてもらおう」


俺は甲冑を試着するとしっかりと俺の体系に合うように作られている。


「甲冑の名を決める。鹿島大明神愛闇幡型甲冑(かしまだいみょうじんあいあんまんがたかっちゅう)とする」


ん~何かこの前立て・・・・・・この先何かに勘違いされそうな予感がしないでもないが、かっこいいから良いだろう。


ちなみにうちの兵士達は赤と金色で装飾された和式愛闇幡型甲冑が配られた。


うん、これ版権完全アウトな気がする。


まぁ、タイムスリッパーの俺には気にすることはないか。

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