第387話 世界出撃評定

1596年夏



 俺は大阪城港に行くと、イライラしながら待っている織田信長がいた。



「遅い」



「いや、オーストラリアから行き帰りには3ヶ月近くは必要ですから無理がありますよ。それより火薬と明は?」



「佐々成政が同盟を成し遂げてきた」



それを聞いて、大広間で評定が開かれた。



「後顧の憂いはなくなりましたので、行動を開始します。前田利家にはこの島マダガスカル島を攻め落とすように命令してきました。さらに、現在信長様の指揮下にある水軍を四派に別れさせ、幕府織田信忠様指揮下に5隻を配置し日本国の防衛に、総大将・羽柴秀吉指揮下に15隻としインドネシアルートから侵略しながらマダガスカル島を目指す軍と、俺とともに行動する軍とに別れます。残る一派、信長様の水軍は九州で待っていてください」



うちの水軍は新型南蛮型鉄甲船3隻


Champion of the sea HITACHI号・艦長・黒坂真琴


Champion of the sea TSUKUBA号・艦長・前田慶次


Champion of the sea KASHIMA号・艦長・真壁氏幹


他旧型5隻保有+木造高速輸送連絡船4隻だ。



前田慶次が新型南蛮型鉄甲船1隻と信長直下水軍の旧型南蛮型ガレオン船でオーストラリア大陸の守備になる。



旧型南蛮型鉄甲船は2隻前田利家と行動を共にする柳生宗矩。



と、なると俺が攻め込むのに使えるのは新型南蛮型鉄甲船2隻300人乗りと、旧型南蛮型鉄甲船3隻200人乗りと、伊達政宗の旧型南蛮型鉄甲船1隻200人。



合計6隻兵士1400人だ。



樺太へ行き来する真田幸村も戦力にするため、樺太には木造高速輸送連絡船を幸村の家臣に任せる。



少々心許ない。



「旧型南蛮型鉄甲船10隻兵士2000人をおかしください」



「構わぬが、常陸はどこに向かう気だ?」



「俺が目指すは敵の太平洋拠点です」



と、地図を指す。



「東西を一気に攻め取るか、良かろう。全指揮権は常陸に委ねる。者共、常陸の命に従え」



「この戦い、統治を目的にはせず、支配権拡大をしイスパニア・ポルトガルに攻め込むための海路の確保を目的といたします。よって、攻め取るのは、イスパニア・ポルトガルの港のみ、あとは原住民と平和的な同盟を結んでください。多くの国々はイスパニア・ポルトガルに虐げられ略取略奪・奴隷にされ不平不満を持つ者ばかりのはず、いかにイスパニア・ポルトガルの力をそぎ他国と友好が結べるかがこの戦いの勝敗を決めます。不必要な、いや、必要以上の土地は必要とせず、これは全権を任されたこの右大臣黒坂常陸守真琴の厳命として出撃せよ」



「オーストラリアにニュージーランド、タスマニアで手一杯ですからね、確かに領地はいらない」



そう言ったのは意外にも羽柴秀吉だった。



そう、十二分すぎる領地を手にすれば持て余す事を彼はオーストラリア大陸で学んでいた。



「領地として切り取りたいのは、このマダガスカル島とその先の大陸のさきっちょだけ、良いですね」



「「「「心得まして御座います」」」」



と、集まった出撃する重臣達は頭を下げた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る