第383話 高速輸送連絡船

 1596年春


梅が咲き始めた春には四隻の新造船・高速輸送連絡船が完成した。


高速輸送連絡船型木造帆船・青龍丸・白虎丸・朱雀丸・玄武丸。


進水式の御祓いを鹿島港町で済ませる。


「青龍丸は樺太への定期便船とする。


白虎丸はハワイ島への定期便船とする。


朱雀丸は大阪城港への定期便船とする。


玄武丸はオーストラリア大陸・ケアンズ港への定期便船とする」


命令を出す。


それぞれの乗員人数は大砲を扱う兵も含め50人、うちの水軍兵士が着任した。


樺太へは4日、ハワイ島へは10日、大阪城港へは2日、オーストラリア大陸へは20日で行き来する定期便船となる。


一気に世界は縮まった。


その縮まった世界が新たな幕開けとなることを気が付くのは少しあとだった。


明るい伝令だけが届くだけではない。


織田信長を劣化のごとく怒らせた伝令が届いたのは、オーストラリア大陸へ出航の準備をしだした4月の事。


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