第381話 宮本武蔵?前田正虎?

1596年正月


精進料理の三が日が過ぎた日、家臣を集めた挨拶件宴会が行われた。


うちは、朝廷に食肉を解禁させるため彼岸・盆・釈迦の誕生日を食肉が禁止し食べた動物達の供養をするよう全国におふれを出しているので、さらに模範になるよう三が日も自粛している。


そう言う城の生活は女子学校の者が嫁ぎ先で広めていく、それが狙いでもある。


4日、午前に家臣たちの正月の挨拶を受け昼に宴会となる。


久々に常磐物を鮟鱇で舌鼓を打っていると、新免無二が酌をしに来た。


「御大将、一献どうぞ」


「あっ、ありがとう、ただ気にしないで皆手酌で楽しんでよ。酌ってなんか苦手で」


「そうでしたか。とんだご無礼を」


「気にしなくて大丈夫、そう言う文化があるのはわかってるから」


「はっ。年賀にあたりましてお願いしたき事あり、よろしいでしょうか?」


「なに?聞きとどけられることなら叶えるが」


「我が12歳になった息子、武蔵(たけぞう)を若様付き小姓に取り立てて頂きたく」


新免無二の子、武蔵(たけぞう)は後に、宮本武蔵として知られる者だ。


「あ~、そうだな。そろそろ、武丸達と同じ年代の者をやとわねばならないな、今は武蔵は?」


「はっ、柳生宗矩様道場で剣術を習う日々にございます」


・・・・・・!二天一流ルート大丈夫か?


「茶々、どうだ?」


「私もそろそろ、武丸達の小姓をと考えていました。何人か小姓として取り立ててくれればと」


「新免無二、武蔵(たけぞう)を元服させ、武蔵(むさし)とし、茨城城に出仕を命ずる」


「ありがたき幸せ」


宮本武蔵にするにはどうすれば良いのだろうか?などと共にもう一人小姓を考える。


「あ!前田慶次の息子ってどこ?」


力丸に聞くと


「同じく、柳生宗矩殿の道場に通っております。名は確か正虎15歳位だったはずです」


「よし、前田慶次が息子、前田正虎も武丸付き小姓として出仕を申し付ける」


「すぐに手配いたします」


「他に10代前半の者がおり、武丸付き小姓になりたき者おれば申し出るように、親族等の紹介でもかまわぬぞ」


「「「はっ、わかりましてございます」」」


「堅い話はここまで、さあ、今日は飲み食いして楽しんでくれ」


新免武蔵・前田正虎、次世代の武将を雇い出す頃合いにもうなったのかと俺はしみじみ思った。

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