第379話 茶々と湯治2・袋田の滝
翌日、快晴の中山道を二時間ほど歩く。
「うわー、凄いです。今まで見た滝の中でも一二を争う勢いある滝、うわー感動します」
と、茶々は袋田の滝を見ながら目を輝かせていた。
「俺が自慢したい、故郷常陸国の景色だ」
その滝はむしろ平成時代より水の量が多く、東洋のナイアガラと表現したくなるくらいに勢いのある滝。
平成時代、日本の滝百選で一位になったこともある滝。
「少し紅葉が散りすぎているのが残念だな。2月ぐらいなら全面凍結と言う荘厳な滝も見れるが寒い」
「ふふふっ、出ました常陸様の寒がり、ふふふっ、でも十分です。とても素晴らしい滝」
「四度の滝と言って、西行上人が『この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない』と、言うが俺は八度の滝だと思っている季節の合間の滝も見るべきだ」
そう言って茶々は倒木に腰を下ろして見ている。
「散り紅葉 流れに消える 袋田の滝」
「あら、久々に聞きました。俳句ですね、悪くはないですね、散りゆく紅葉が流れに乗るどころか滝の勢いに消えて行ってますから、それなら慶次も納得する歌かと、なら私は」
「山肌に 流れる水の 勢いに 消えることなかれ 愛しき心」
「ん?」
「ふふふっ、浮気はほどほどに私にも愛の心を下さいね。水には流しちゃ駄目ですよ」
珍しく男勝りの気丈な振る舞いを見せる茶々は女の子モードだった。
護衛に持たせていた弁当を滝を見ながら食べ日が傾き始める頃、宿に帰る。
帰ったら、しっぽり・・・・・・。
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