第375話 港廓新門建設開始
茨城城陸側の玄関口大手門の鉄黒漆塗風神雷神萌美少女門に対して、霞ヶ浦に突き出た港廓の水路からの玄関口は寂しい門であった。
鹿島港から霞ヶ浦への水路は完成しこれからはこちらは水路の玄関口になる。
そのため大手門に負けず劣らずの門を左甚五郎に製作を依頼する。
「殿様、また萌美少女門ですかい?」
と、言うのでデザイン画を見せると、
「ありゃ?今回はまた変わった門ですね、今までと毛色が違う、あっしにはこれがなんぞの物なのかわかりませんが、なぜか心が熱くなるような」
「だろうな、これは男なら皆、夢見る憧れの代物よ。この物語のこれはカッコイい、だが~このままならつまらない、仕掛けを付ける」
「仕掛け?」
「お初達にも見つかっても良いように表向きはこの絵図で、で、絡繰をしてここをこう動かすと・・・・・・」
「と、と、殿様~、こんな斬新的な考え驚きました。これを作れるとは大工冥利に尽きるってもんですぜ、すぐに始めさせていただきます」
茨城城の工房て左甚五郎はさっそく造り始めると、警戒しているお初が見に来た。
「ん?あれ?ん?あれ?なんですかこれは?あれ?今回も美少女を彫らせているとばかり思っていたのに、南蛮だか異国だかの甲冑姿の者ですか?随分と変わった感じがしますが、これなら、まぁ~ん~別に問題もないでしょう。甲冑姿の者が門に彫刻されるなら守りの意志の強さを見せているようで、むしろ良きかと」
と、お初や茶々達もやはり少し変わった甲冑姿の者に見える彫刻。
「むしろ門はこのように力強き姿の彫刻が良いのです」
と、茶々も言う。
ふふふ、同じ鉄は踏まんよ、茶々、お初。
お江だけは残念がっていた。
お江、大丈夫だ、期待は裏切らないぞ、ぬはははははははは。
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